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1枚の画像から広がる英語の授業②Make a story!(1分間物語)

先週、英検4級レベルのクラスで私が作った新しい教材を使って授業をしました。

この記事ではその時の様子を時系列で紹介しています。

下記の①の記事は、ここで紹介する活動の前に行った、画像を見て文を言う活動です。

今回のこの②の記事は、その後に行った画像を見て物語を作る活動です。

この活動では、画像を見ながらQ&Aをして、ひとつの物語を作り上げて行きます。

自由な発想をする子供達にとって、一人一人が空想したことを好き勝手に言って出来上がった物語ほど面白いものはありません。

「ありえない。」「バカみたい。」「ブラックすぎ。」

そんな言葉が出る程ふざけた物語が出来れば、子供たちは笑いこけて思わず気が緩みます。

その気が緩んだ状態が、脳が一番英語を覚えやすい状態です。

その状態で物語を暗記させれば、楽しい思い出と共に覚えた英語が長く記憶に残ります。

そうしたことを念頭に置いて、以下を読み進めてください。


画像を見て物語を作る活動

最初に画像を見て思いつくことを思いつくままに言って行きます。

この場面で日本語禁止にすると、盛り上がらないばかりか、余計なプレッシャーがかかって緊張するので、学びの少ない授業になります。

日本語だろうと、英語だろうと、記憶に残る話を考えることが一番大事なので、ここでは自由に喋らせてください。

生徒の口から出て来た日本語は、その都度英語に変換してフィードバックしてください。

盛り上がれば盛り上がる程、英語をリピートする声が大きくなって、その場の雰囲気やイメージと共に英語が記憶に残りやすくなります。

最初にアリが何を考えているのかを想像させます。

「What do you think he is thinking about?」

最初の文を作る活動では、アリはitを使いましたが、ここではアリが物語の登場人物になるので、主語はheかsheを使います。アリの立場に立って英語を言う時は、Iを使います。

「This seed is heavy. / I'm tired. / I don't want to work anymore. / Life is hard. / Etc.」

普段の授業の中で、想像させたり、考えさせたり、発言させたりということを繰り返しやっていると、こういう時に驚くほどいろんな答えが返って来ます。

しかし、日本語で喋らせても、「何も浮かびません。」「恥ずかしくて言えません。」などという発言が出るようなら、英語以前に国語教育に問題があります。

どんなに質の高い外国語教育を受けようとも、母国語の運用能力が低ければ、英語力が向上することはありません。

そういう時は思い切って国語の授業に切り替えて、日本語で一分間スピーチをさせたり、日本語で作文を書かせたりして、想像力や思考力や表現力を高めることを優先させてください。

そこで培われた日本語力がそのまま英語力に反映されて、五技能全ての底上げが出来ます。


さて、物語作りの続きの前に伝えておきたいことがあります。

・動物は本能に従っているだけで思考力はないというご意見

・動物を擬人化するのはよろしくないといったご意見

・私の日本語が正しくないなどのご指摘

そういうご意見があるのは承知しています。でも、

・命あるもの全ての立場に立って物事を考えられるようになる。

・何ものに対しても差別意識を持たない。

・考えたことや感情を素直に表現できる。

・感性や語学センスを磨く。

そういったことの方が遥かに大事だと思っているので、私が変更を加えたくなるぐらいの良案でない限り、私が他人様の意見に左右されることはありません。


レッスンの続きです。

Have the students feel and think:
T: What do you think the ant is thinking about?
S: "I’m tired." / "Life is hard." / etc.
T: What do you want to say to the ant?
S: "Hang in there!" / "I’m proud of you." / etc.
T: Let’s make a story.

こんな感じでQ&Aを行い、その中から物語として使えそうな単語や文を取捨選択して一つの物語にまとめて行きます。ここはもちろん日本語です。

ここには書きませんが、実際は、「風が吹いて種が落ちてしまった。/鳥がやって来てアリが食べられた。/種を巣に持って行ったら女王様が死んでいた。」等々、いろんな作り話が飛び出して、相当盛り上がりました。


下記が最後にまとめたショートストーリーです。

Have the students make a story:
One day an ant was carrying a seed on a branch. The ant was very tired and thought that life was hard. He said to himself, "Hang in there! I’m proud of you." But the seed was so heavy that he dropped it. He said to himself, "Well. At least I could learn that more than enough was too much."


ここで比較級が入っていて難しいんじゃないかなどと考える人は、固定観念に縛られている人です。

この物語は子供達自身が想像して作り上げたものです。それぞれの文の意味は誰よりも理解しています。感情移入までしています。

その物語を丸暗記したら、その英語は長く記憶に残ります。

私は日本昔話を英語で暗唱させるということを小1クラスからやっていましたが、ヘタなテキストや教材を使うよりも、そっちの方が英語力が伸びる上に英語脳が育つということは実証済みです。文法なんかに拘っていたら、英語脳は育てられません。

物語を暗唱したら、それをノートに書き写します。

すでに暗記して上手に言えるようになった英語を書き写せば、自然に英語が声に出ます。声に出した英語は耳から入って来ます。物語を作った時のやり取りを思い出しながら文章を書けば、書くことが好きになります。

五感を駆使すれば長期記憶になるということは研究でも証明されています。

物語を繰り返し復習すれば、最初は日本語交りだったやり取りがオールイングリッシュで出来るようになります。質問のレベルを上げて行けば、思考力や表現力がさらに向上します。

たった一枚の画像を使って記憶に残る授業をする。

五技能全てをバランスよく身に付けさせる。

そういうことが出来るようになれば、幼稚な英語教育から脱却し、生徒により高い英語力を身に付けさせることが可能になります。

この教材は文法指導にも使えますし、カードゲームにも使えるようにアレンジされています。

下記に画像を4枚サンプルとして載せておきますので、ぜひ授業で活用してみてください。


こちらの教材の購入方法は2つです。

①Amazonから電子書籍版($6.99)を購入されたい方はこちらからお求めください。

②noteからPDF版(1,100円)をダウンロード購入されたい方はこちらからお求めください。


最後に私の思いを綴っておきます。

私が目指しているのは、豊かな言語能力を持つ子供の育成です。

日本語だろうと、英語だろうと、豊かな言語能力なくして、五技能の向上は望めません。

その指導技術を身に付けるには、教師自身が生き方や考え方を根底から変える必要があります。

固定観念を捨てる。常識を捨てる。古い体質の人を捨てる。

捨てる覚悟もないのに変わろうとすることは、アクセルとブレーキを同時に踏むようなもので、苦しみにしかなりません。

迷いがあるのであれば、現状維持でいてください。

本気で変わりたいのであれば、今すぐ変わる努力を始めてください。

私は20年以上も前から公立小学校、公立中学校、短大などで教員養成の仕事をしていますが、教師が変わる覚悟を決めた瞬間から生徒達の反応が激変するという場面を何度も目撃して来ました。

自分がどんな教師になりたいのか。

生徒達の中に何を残したいのか。

惰性で生きている周りの人間に迎合して生きて行くのか。

出る杭は打たれる覚悟を持って変わる努力を始めるのか。

真剣に考えてください。

私は田舎の教師なので、40年間打たれっ放しです。

よくもまあ、そんな嘘が付けるもんだと呆れるぐらい、足を引っ張られることも度々です。

でも、嘘は必ず暴かれます。

いくら上っ面を繕っても、いつか必ずボロは出ます。

生徒達の未来のために精進している教師を追い落とすような教育現場に未来などありません。

職場を変えても稼げるぐらい、今から技術を磨いてください。

誰にも追い付けないぐらいの結果を出してください。

一人でも多くの人が古い体質の自分と決別することを期待しています。

Hang in there!!

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