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「学ぶことは楽しいこと?」

探究型学習によってどんな力が身につくのか?

マナビノキでは、探究型学習をベースにワークショップやアフタースクールなど、様々な教育活動を行っています。「探究型学習って最近よく聞くけれど、実際にどんな力が身につくんですか?」と質問されることも多いです。

・自分で身の回りから問いを見つけることができる
・自分で情報を集めたり、精査できるようになる
・自分でものごとを考え解決する力を身につけることができる
といった学び方に関することもそうですし、

・諦めないで最後取り組むことができる
・じっくりと物事を吟味したり向き合ったりすることができる
・自分なりの考えをもったり、それをアウトプットすることができる
など、自分自身に向き合うことや自分自身に関することもあります。

学び方、自分自身に関すること、他者や社会に関することなど、挙げるときりがありませんが、あえてそれを一言でいうならば「探究的に学ぶことの良さ」を学習者が感じることができること、そして「学ぶことの意味や意義」について考えたり、気づいたりすることができることです。

みなさんは、「学ぶことを楽しい」と思ったことはありますか?

学ぶこと=勉強?(学生時代を振り返って)

私自身、学ぶことの意味や意義について実感できたのは、正直大人になってからです。学生時代は、学ぶことは勉強することだと思っていました。
読み書き、計算、公式、文法、年表などの暗記など、興味関心よりも先に、教科書の内容をまず理解すること、そしてテストや入試のために覚えること。
「自分が覚えていたものがテストに出たか?」
「予想したり山を張ったりしたものが出たか?」
「順番は何番?テストの点数や偏差値は?」など表される数字に一喜一憂したり。
もちろん、100点を取ったり、模試や校内で上位になったり、念願の志望校に受かった時は、嬉しかったですし、達成感や自分自身に向き合うような面も多かったです。しかし「学ぶことを楽しんでいたか?」と問われると、ちょっと違うような気がします。

学ぶこと=遊ぶこと?(小学生時代を振り返って)

少し前に遡って「小学生時代はどうだったかな?」と考えてみると、「これをやってみたらどうなるんだろう?」といういたずら心や「なんでこうなっているんだろう?」という身の回りのものごとへのシンプルな問いが日々、たくさんあって、それを解決するために、一生懸命に遊んでいたように思います。

・夕方になるとどうして影が長くなるの?
・なんで夕方になると頭の上に虫が集まるの?
・虹はどんなところにできるんだろう?
・身の回りにはどんな音があるんだろう?
そんな問いを解決するために、朝から夕方まで影の長さを測ってみたり、虹を探し求めて歩いたり(最終、噴水の中に落ちたけど)、騒音を調べるためにレコーダーを持って、踏切のそばや新幹線公園の下や幹線道路の脇に行って録音したりしていました。ちょっと変わっているかもしれませんが、これが私の中での遊びでした。

また、飼っている金魚が病気になれば図鑑で病名を調べたり、カメが冬眠したがっていたら冬眠の仕方を調べて枯葉や土を集めてきたり、ハムスターの運動不足解消のために迷路を作ったり、調べたいことや、やりたいことがたくさんあって、そのため自分で考えたり、やってみたり、図鑑や本で調べたり・・・。
遊びでも学びでもない「遊び学び」みたいなことに溢れていたなと思います。それて、今思うとそれは「学ぶことを楽しんでいた」と思います。

学ぶこと=生きること?(教職〜現在を振り返って)

大学以降は、教職についてからも、学級経営のこと、子供の発達のこと、授業づくりについてなど、新しく学ばなければいけないことが増えました。「しなければならない」という気持ちもありましたが、それはテストや試験のためではなく、自分の目の前の子供達や、より良い教育のため、また自分自身が教育者として高まりたいという意思の元での学びでした。
色んな先生の授業を見たり、たくさんの教育書を読んだり、講演を聞いたりしながら、実践してみる、そしてそれを検証してみる、研究することはとても楽しかったです。
・今度は、これを自分のクラスでやってみよう!
・授業にこの手法を取り入れたらどうなるかな?
・子供達はどう変化するかな?
そんなワクワクする気持ちもありましたし、学んだことが自分以外の人のためになっていく、社会に還元されていくという感覚に自己有用感の高まりも感じました。

今の自分があるのも、この教職時代の学びがあったからだし、子供達にとって未来にとってより良い学びを探究し続けている場所が、今のマナビノキです。自分の本当にやりたい教育を実践することができる、子供達や仲間達とと一緒に創ることができることは本当に楽しいし、そう考えると「学ぶことは楽しい」を超えて、「生きることは楽しい」につながっているのかなと思います。

学ぶことを楽しめる人は、生きることを楽しめる人

「学ぶことの楽しさ」をテーマに、今回は考えてみました。
人によりけりだとは思いますが、私の場合は、中学、高校時代だけが、「自分のやりたいこと」と「学び」が切り離されていたように感じます。
探究的に学ぶことの良さ、本当の学び、学ぶことの意味や意義を見直すという点でも、実際にリアルタイムで「高大接続」の教育改革が進んでいて、教育内容や評価方法、入試制度などを見直す動きが高まっています。ここ数年のうちに変わってくるといいな・・・。

人は、本来学ぶことを楽しむために生まれてきていると思います。だって、できないことができることも、知らないことを知ることができることも楽しいしワクワクするはずだから。

だからこそ、このワクワク感や喜びを忘れず、生涯を通して学ぶことを楽しんでいきたいし、それが、生きることを楽しむことにつながっていくのではないかと思います。

兎にも角にも「知りたい!やりたい!できるようになりたい!」という気持ちが大事!
何か目の前の目標に向かってみんな頑張っていきましょう!!

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