見出し画像

普通の子の中学受験、「まさかの合格」が危険なワケ

このテーマについて書きますと、予告していたので、まとめていきたいと思います。

「まさかの合格」は、中学受験成功なのか?

中学受験では「まさかの合格」が存在します。まさかの合格というのは、たいへんドラマティックで、より感動も大きいかと思います。だったら、受験成功だよね、と思うことでしょう。もちろん受験という観点だけでみたら、大成功です。だって本来、受かるレベルでない子が合格できた、ということですから。

うちの子どもの場合も、はたから見たら、きっと「まさかの合格」に見えたと思います。Y50前後の偏差値で、とあるMARCH付属に合格しました。けれど、子どもを近くでサポートした私からすれば、合格することはある程度予測できていました。それは、Y50前後といっても、算数は最終Y55前後、国語はY60前後、理科はY50前後あるものの、信じられないほど出来ない社会で平均偏差値を大きく落としていたので、社会以外の学科のポテンシャルとしては悪くないと思っていました。(社会の偏差値は、人様に言えないほどの数値ですので、ご容赦ください・・涙)。それを証明するように、過去問は最終的に合格最低点の+40点(合格平均点+20点前後)をとれるまで仕上がっていました。我が家としては、MARCH付属中をチャレンジ校ではなく、適正校として受験したつもりです。それでも、当然ながら入試は4教科の合計点で競われるので、1回目の受験では×、2回目の受験でやっと合格をとれたわけですが(汗)。

けれど、周囲には、偏差値も過去問の合格最低点もまったく達していない=完全なるチャレンジ校として受験して、「まさかの合格」を勝ちとっているお子さんも一定数いらっしゃいます。すると入学後、じわじわとポテンシャルの差が出てきているのを感じずにはいられません。

「まさかの合格」後、やってくる試練とは?

毎日の小テストがとれずに補習の日々。中間・定期テストも下位に。中学受験の世界では、「深海魚」と呼ぶようですが、私個人としては子ども達をそのような言葉でくくるのは好きではありませんね・・・。ただ、「まさかの合格」が子どもを苦しめる環境に陥りやすいというのは、事実でしょう。そのような状態が続くと、子ども自身の心が折れ、ますます勉強に身が入らず、中2、中3で自主退学を選んでしまうパターン、学校側から「付属の高校に上がるのは難しい」と中2の後半に通告されてしまうパターンなどが、実際あります。残念ながら、身近な方からもそのような話は、耳にしてきました。

そんな話を聞いて私が思うのは、子どもを「まさかの合格」にしてはいけないということ。もし、親御さんがお子さんをどうしてもその学校に入れてあげたいなら、「当たり前の合格」まで引き上げてほしいと、ただただ願います。中学入学後は、たいていの学校が「国語」と「数学」と「英語」の成績を重視する傾向があるので、その中の「国語」と「数学=算数」の学力を上げてあげること。必要に応じて個別や家庭教師などのテコ入れをすること。受験での点数だけでなく、その子の学力そのものを上げることを忘れずにサポートすることで、「まさかの合格」を「当たり前の合格」まで、昇格できると私は信じています。

それでも、努力しても、どうしても「まさかの合格」になりそうなら、適正校受験にシフトすることをオススメしたいなぁ、というのが本音です。できれば、その子が成績で半分より上にいれる学校に行かせてあげることが、勉強へのモチベーションアップにつながる気がします。

私立中学には、「放学」があるという真実

私立中学のこわいのは、学力的についていけない時は本当に「放校」があるということです。おそらくどの私立中学でも、そこの付属高校に上がれないお子さんが極少数います。いわゆる学校からの「肩たたき」というものです。うちの子どものMARCH付属でも、国語・数学・英語の主要3教科で、決められた以上の評点をとれなければ、高校に上がれないという規定があります。厳しいですが、これが私立中の真実なのです。だから、「入学したらこっちのもの」「入れたら何とかあるでしょ」という甘い考えは、もたない方がいいと思います。それでもお子さんの意志で入学を決めた場合は、入学後、早めに塾なり家庭教師なり、プロのサポートを入れた方がいいと思います。または、成績で下位になっても、腐ることなくなんとか付いていこうと親子で頑張る姿勢も大事です。

補欠合格した学校を選ばなかったお子さん

あるお子さんは、人気私立中学のひとつに補欠合格したそうですが、そこには入学せず、当たり前に合格した私立中学の方に入ったそうです。それでも、入学後数学が苦手で授業についていくのは簡単ではなく、もしあの時「補欠合格した学校を選んでいたら、もっと厳しかっただろう」と思ったそうです。うちも、中学受験の合計偏差値が低い理由が社会によるものでなく、国語や算数(数学)なら入学後の立ち位置はもっと厳しいもの(現在、我が子は上位3分の1をいったりきたりの状態)になっていたと思っています。あとは、英語を本人が好きかどうか、ということも入学後のポジションに大きく影響するので、受験勉強をしつつも考えておいた方がよさそうです。


今、中学受験で憧れの学校を目指している方々に、こんな身も蓋もない話をしてしまってたいへん恐縮です(汗)。ですが、私立中学に入学後、苦しいでいるご家庭が多いのも事実ですので、それをどう回避するかも合わせて、志望校を選んでいただきたいと心より願っています。理想論かもしれませんが、受験合格のテクニックを学びつつも、学力そのものを上げていくことも忘れず、やっていけるといいですよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?