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親子の絆と中学受験 〜成績以上の価値を求めて〜

中学受験の難しさは、ただの試験の成功だけではなく、受験生の人間性の育成にもあるのです。

一方で、受験勉強だけに注力し、人間としての成長をおろそかにすると、合格してもお子さんの精神的健康に後々問題が生じる場合があります。反対に、人間性を重視しながら勉強する受験生は、合否に関わらず、豊かな人生を送れる傾向にあります。

中学受験は、まだ経験が浅いお子さんにとって、複雑で難しい判断が求められます。そのため、親の意向が強く影響します。親が学業の成功だけを求める関係が常態化すると、お子さんは「勉強さえできれば良い」と思い込むリスクが高まります。これは短視的で、結果として視野が狭くなり、生きにくくなる恐れがあります。

親の側から見れば、子どもが有名校に通うことは誇らしいことかもしれません。しかし、そのために人間性の育成を疎かにしてはいけません。成長期のお子さんに、心の成長を妨げるような教育は避けるべきです。

中学受験シーズンになると、私のところには親子関係に関する相談が増えます。勉強に対する過度なプレッシャーや叱責は、お子さんの心に大きな負担を与えることがあります。

最も大切なことは、お子さんが笑顔で生きることです。そのためにも、親はお子さんの存在そのものを大切にしてほしいと思います。

もちろん、勉強ができるのは素晴らしいことですが、それを評価の第一とするべきではありません。私が思う第一の価値は、「人の役に立つ喜びを持つこと」です。友達やクラス、学校のために行動したとき、人々の笑顔を見る喜びこそが、真の人間性の成長に繋がります。

そのために、親は「ありがとう」や「嬉しかった」という感謝の言葉をしっかり伝えることが大切です。

中学受験の指導を23年間してきた私が、これまでの経験から学んだことを共有させていただきました。


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