水泳部 ごめんなさい 高校野球の思い出
高校野球3年間で一番しんどかったのは夏の練習だった。
高校によっては合宿をするところもあるが、僕たちの高校では続けて一日練習がある、それも3週間、他の部活が合宿をしている為グラウンドが空いているのだ。午前の練習が終わった時点で部室の様子はここは戦争でも起きてるのかと思うほどみんな生命力がない。
画像をご参照ください。
そんな僕たちにも希望があった。
練習後のプールだ。
これは「パラダイス」と呼ばれており、練習後に水泳部が所有するプールに入ることで、汗を流し、暑さから解放され、生き返る。死者蘇生魔法
もちろん水泳部から許可は出ていない。
プールへの入り方は、誰か一人が木を登り、プールの柵を超えて中に入る。
内側に入り中からドアを開けるという、単純に不法まではいかない否不法進入。因みにこの進入方法は代々先輩から受け継いでいるのである。
なぜこれが成立するかというと夏休みはほぼ誰も学校にこない。
更に水泳部が朝又は昼間練習している時を見逃さないことで、
塩素を確認。
ちゃんとプール前にシャワーを浴び、我々はこの為にゴーグルと水着、タオルまで持参する。
そして管理人がなんとも緩い。どれくらい緩いかというと、
ある日練習終わりにパラダイスを楽しんでいると、
「おい、お前等だれだ!?」と、いるはずのない”水泳部”に管理人が尋ねた。
緊張が走る。
沈黙が続き、
「水泳部のOBです」
と誰か一人が答えた。
終わった、
こんな無茶な言い訳があるかと思った。
一瞬の沈黙の末、
「ん、じゃあ鍵ちゃんと閉めといてね」
と言って消えた。
ゆるっゆるやないかい!いや、良いのかい!
自分でプールに入っといてツッコむのはおかしいが、良いのかい!
水泳部のOBじゃなしに、現役の野球部だけど良いのかい!
ある体育会の先生は、恐らく野球部の先生もだが、我々がプールに入っていることを知っていた。
水泳部も恐らく知ってた。
僕たちの同期の水泳部のある男子は、僕達の先輩(一年はプールに入れません。)がプールに入っていたことを愚痴っていた。
が、3年になった時、彼が「あー汚さなければ良いよ」