学習コーチの要領 #4|計画と振り返り
今回は、計画と振り返りについてです。
1. 計画
計画にあたっては、計画表を作成することをオススメします。それにより、学び手は自身の現状や今後の予定をより客観的に把握できるようになります。
計画表は、たとえば次のようなものです。
往々にして計画は見直すことになります。そのため、初めはあまり精緻さにこだわらず、仮でもよいのでまず作成することが重要です。なお、これまでの記事で言及したとおり、あくまでも意思決定の主体は学び手であり、学習コーチは意思決定を支援します。
ここからは、計画表を踏まえつつ、計画の流れ・考慮点について書いてまいります。計画は、次のような流れで作成します。
①学習内容の把握
②目標と現状の把握
③目標達成に向けたマイルストーンの設定
④日々の学習内容・分量の設定
①学習内容の把握
目標を達成するにあたっての学習内容とその分量を把握します。多くの場合、学習内容は試験の内訳や教材の種別・章構成などに該当します。分量については、時間ではなく量(ページ数や問題数など)で把握する方が、具体的な計画に落とし込めます。
②目標と現状の把握
学習内容の内訳ごとに、目標と現状の値をそれぞれ把握します。値には、点数のほか、正答率も設定されることが多いです。
現状の値は正確なもの(模擬試験の結果など)でなくても構いません。「現在取り組んだら、どのくらいの結果になると思うか?」といった問いかけにより、主観的な現状値が分かればじゅうぶんです。
③目標達成に向けたマイルストーンの設定
現在と期日(試験日など)の期間の取り組みを大まかに設定します。期間の長さにもよりますが、2週間前後の単位で設定することが多いです。たとえば、「最初の2週は基礎を概観、次の3週でそれぞれを深堀り、最後の1週で苦手箇所を重点学習」といった具合です。
④日々の学習内容・分量を設定
いきなり分量を計画するのは難しいことも多いため、まずはどの日にどの学習内容を行うかを仮決めします。期間が長い場合は、2週間〜1ヶ月程度の計画で留めたりもします。
ちなみに、学習効率上は、一度に同じものに取り組むのでなく、分けて学習した方がよいとされています。提案だと断った上で、学び手にそのことを伝えるのもよいでしょう。もちろん、最終的には学び手が決定します。
日ごとの学習内容の次は、その分量を決めます。学習内容の周回数、学習日数をもとに、日ごとの学習分量を算出します。まずは数字で求め、その上で現実的な分量かを確認し、必要に応じて調整します。この際、日々の持ち時間を把握しておくのも一手です。
2. 振り返り
学習後の次の回は、振り返りから始めます。たとえば次のような観点で振り返りを促します。
・全体/部分(細部)
・成長点/課題点
・結果/過程
・論理/感情
結果的に、次のような事柄を振り返り・考えることになります。
・今回の学習はどうだったか?
・各学習内容や各日はどうだったか?
・課題はあるか?
・どう解決するつもりか?
振り返った結果をもとに、次の学習を計画・見直します。見直しは、計画時の流れと同様に進めます。
3. おわりに
本記事では、学習コーチの計画と振り返りについて書きました。計画や振り返りにあたっては、呼び水となる問いかけも重要となります。問いかけについては、次回以降の記事で書いてまいります。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
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