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【トピック】「年収の壁」を考える 「年収の壁」より深刻な「キャリアの壁」を考えてみよう
「最初のお断り」
政策について中立な立場です。あくまで一つの考えとして見て頂ければ幸いです。
ニュースでは「年収の壁」である所得が103万円、106万円と日々報道されています。
元々この壁自体は、昔からあったものでアルバイトに励む学生には悩ましいものでした。
「年収の壁」とは、簡単に言うと「一定の年収を超えると税金や社会保険料がかかる」と言うものです。
この仕組み自体は、ぼんやりと知っているだけで報道が一人歩きしている感じもします。
なのでおさらいしてみます。
稼いだ所得というのは、数種類ある所得分類のどれかにあたります。
![](https://assets.st-note.com/img/1732149997-LfiboyhWnQEuAmIlPOG1zSKa.png?width=1200)
イメージがつきやすいの働いた対価としてもらえる「給与所得」ですよね。
所得というのは、総支給額に税率をかけて納税額を納めるわけではありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1732160220-HRgTzJ1VUQkPcDjLwM3h27lt.png?width=1200)
ザクっと説明すると以上になります。1年間の総支給からあらゆる控除額を引いた上で税率をかけて「納税額」を決めます。
では壁である「103万円」の根拠とは何か?考えていきます。
所得がすべて給与所得であった場合、給与所得の控除表を見ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1732160587-BHTm1MPGRvQJ3KufeA5SoEg4.png?width=1200)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
収入金額が103万円の場合、給与所得控除額は55万円です。
よって・・・
①総支給・・・・103万円
②控除額・・・・55万円(給与所得控除)+48万円(基礎控除)
(①ー②)×税率=0円×税率
=0円
という仕組みになります。
ここまでの仕組みが分かった上で、ようやく「103万円の壁」の議論に入れるわけです。
■そもそも「103万円の壁」の上限を引き上げる必要があるのか?
パートやアルバイトなど、103万円を超えるとその後一定時間は手取りが減少するため「働き損」になってしまいます。
なので労働時間を抑えるようシフトを調整します。労働における課題点を整理してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1732161888-kWc1nxAC6d7Ow9QtrEXsGLym.png?width=1200)
労働時間の調整している人数は全国で61万人いると推定されています。103万円の壁を引き上げれば手取り額は増えて「働き損」も抑える効果もあります。
ただ一定の効果はあるものの、ポイントとして日本は「慢性的な人手不足が加速していく」という点を考慮する必要があります。
引き上げればまた「壁」にあたるわけですから調整する人は一定数出てくるということで今回同様なことが起こるかもしれません。
ですが、やってみないと分からないことは世の中にたくさんありますので施策としてトライしてまた考えて・・・ということでしょうか。
■魅力ある仕事へ変化することも大事
キャリアに悩む社会人も大勢います。パート、アルバイト、学生だって皆そうです。
もう一つのポイントは「103万円を超えて働いてもいい」ということです。
103万円を超えて手取り額が減っても、「この仕事場で働けばキャリアとして今後の自分が成長できる」と思えば、手取りが減ったとしても違う形で付加価値をつけることができます。
キャリアは後の将来収入に大きく影響するわけなので労働時間を「自己投資」として考えるといいかもしれませんね。
この「年収の壁」というのは、反対に企業としては、労働者側に「働く壁」を感じさせないキャリアPRできる努力が求められてる時代になっているということが背景にあるのでしょうね。