作品に浸る時間は、まさに「人生のトランジット」だった。
先月(2022/4/16)上演された、ノーミーツさんの舞台「夢路空港」。
現役で供用中の空港を貸し切って、深夜に一夜限りの生配信を行う、というこれまた斬新な企画でした。
ジャルジャルさんが主演ということで、しっかりコメディの要素もふんだんに盛り込まれつつも、
内容自体は「夢」というものを主軸にした、しっかりとテーマ性もある作品で。
最初に見たときはなにげなくスルーしていたセリフも、
二度目に見ると、いろいろな伏線や作品自体に込められたテーマなどもより理解できて、配信ならではの見方を満喫させていただきました…!
話の主軸となる「空港で荷物が出てこない」というストーリー。
空港という場所が「人生のトランジット」、ひととき立ち止まって自分を振り返る場所、
「出てこない荷物」が「人生の忘れ物」、日々の中でどこかに置き忘れてきてしまった大事なもの、
というメタファーにそれぞれなっていることがわかると、
清宮レイさん演じる、航空整備士の足立と、平田敦子さん演じる「売店のおばちゃん」大桑がなにげなく会話しているこのシーンが、実はすごく大事な意味を持っていたことがわかって。
そして、その後に続く、前田敦子さん演じる「きな子」が実はCAさんだった、という種明かしがされるシーン。
元AKBのエース、前田さんと、乃木坂の現役、清宮さんの世代を超えた共演もエモすぎる…と思いながら、
それぞれの「夢」と「現実」、各々の生き方が交錯していて、なんだか考えさせられるシーンだなあ、と。
この作品では、空港という場所が「人生のトランジット」地点として描かれていましたが、
観客の私たちとしては、この作品そのものが、観劇を通して自分の生き方を改めて見つめ直す、まさに「人生のトランジット」となる体験をつくってくれているのだろうなあ、と。
とっても楽しく、そして素敵な観劇体験でした。
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