傷だらけの店長
最近、とても素敵な本を読みました。
仕事への夢と好きと現実と辛さと、でもやっぱり好きだからやっているんだ
と、理論では語れない、不器用にしか生きられないそんな話でした。
私、以前『本屋会議』という本を、行きつけの古本屋カフェで注文していたんです。
これもとても面白い、「”町の本屋さん”の永続のためには」という本屋の現実をいろいろ書き綴っている本でした。私は町の本屋さんがこんなにも夢を背負い、困難を背負っていることを知りませんでした。
その本を読んでいくうちに本屋会議のなかで作中引用されている本がいくつか出てきます。そのなかに「この本、作者みたことあるぞ。もしかして…」という本がありました。
それはまさに、行きつけの古本屋カフェの店長さんが書いた本でした。
まず本屋会議も廃版?になっているものだったから、
もしかしたら手に入らないかもしれない、プレミアがすでについてるから高くなってしまうかもと注文した時聞いていました。
しかし、古本でよい価格で店長さんが仕入れてくれました。
「え!読めるの!?」と思ったその時の嬉しさたるや。
そしてそんな古本屋さんとの思い入れの深い本から、
店主さんの本が内容に出てくるとはびっくりでした。
本屋会議を読み終わった後、その店主さんの本を買いに
その古本屋カフェに行きました。
店主さんも作中に自分の本が少し出てくることは
知らなかったようでしたが(笑)
本屋会議を読んで店主さんの本が読みたくなって買いに来たというと、
「読み終わったらつまらなかったでもなんでも、感想聞かせてください」
と言われました。
書いた本人に感想を言うことを頭に入れながら、というなかなかないシチュエーションで本を読み進めたわけです。
そして、冒頭の私のこの本の感想に戻ります。
控えめに言ってもとてもよかった。
まずはこんな困難をかかえながらも本屋を続けてくれ、
今も形を変え、私たちの町の本屋でいてくれることに
感謝がつきません。
だって、私はあそこの古本屋書店に、”この本が欲しくて行く”こともあるけど、”本屋に行きたくて行く”ことが圧倒的に多いから。
私は自分の本棚を見られるのは恥ずかしいんですが
やはり本棚ってその人の人間性がでますよね。
私は、あの古本屋に行くとわくわくするんです。
そして本を読んでの私の感想。夢に向かう者の気持ち。
私は今まで、夢が自分をつくっているとそんな人生でした。
夢を語って、やりたいことをしにそれができる場所へ行く。
しかしそれが、夢が、私を弱くしているように感じることがたくさんありました。
この夢をあきらめてしまえれば、私はもっと楽に生きれるのに。
このどうしても逃げたい現実からも、この夢さえ捨ててしまえれば
逃げられるのに。逃げが悪いことじゃないのに、この夢を捨てられないからできない。
そう感じたことがありました。
でも、今も、夢を追っています。
だって、好きだから。
この夢を、親不孝者と言われたこともありました。
でも、なんでかやりたいんです。すきなんです。関わっているとときめくんです。
だから、私は夢を追い続けます。
そんな思いを、思い出させてくれた本でした。
熱い気持ちが沸き上がるというよりかは、
読み終わって、涙とともに、ほっとしたという気持ちでした。
自分は自分の道を行こうと。
作者と店主と古本屋カフェに感謝と敬愛をこめて。
kana
※このnoteはmana&kanaの共同です。この投稿は投稿の最後に投稿者の名前を書いています。