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男の子がティンカーベルの役を演じることで感じた自分の中の小さな違和感と向き合う
先日、我が子達が通っていた保育園に性教育に行かせてもらいました。
その後、園長先生とお話しした中で生活発表会の話にもなったのですが、「だんだんと性別に関わらず好きな役を選ぶのが当たり前になってきて、女の子がピーターパンやフック船長をしたり、男の子がウェンディやティンカーベルの役をやったりしたんですよ」という話を聞きました。
めちゃくちゃ素敵!まさに「性別に関わらずその子らしさを大切に」という包括的性教育を実践されているなと思いました。
と同時に、この話を聞いた時に、ちょっとハッとしたことがあって。
上の記事の中にも出てくるのですが、今回のお話し会でもこの本を読ませてもらいました。
これまでは窮屈なドレスを着ることしか許されなかった女の子が、ズボンを履いた実話に基づくストーリー。
今では女の子がズボンを履くのは当たり前になっていますが、でもその逆、つまり男の子がスカートを履くことは、少なくとも今の日本社会ではまだ浸透していないですよね。
それと同じように、
ピーターパンやフック船長の役を女の子が演じる、ということと、
男の子がウェンディやティンカーベルを演じるということ。
同列の話のはずなのに、自分の中で受け入れ方が微妙に違うな、と思ったんです。
自分の子どもに置き換えてみてもそうで、私には娘と息子がいますが、
例えば娘がピーターパンやフック船長の役を選ぶことと、
息子がスカートを履いたりウェンディの役を選ぶこと、同じように受け入れられるかな。
よく話題に上がるこのランドセルのCM。
とても考えさせられる動画ですが、その中でも特にピンクのランドセルを選んだ男の子が印象的に描かれているような気がしました。
確かに、
娘が黒や青のランドセルを選んだ時と、息子がピンクや赤のランドセルを選んだ時、同じようにそれを尊重できるのか。
子どもが「自分はこれが好き」と思うものを親として大切にしたい。それは息子に対しても娘に対しても同じ。それなのにこうして感じ方が微妙に違うのはどうしてなんだろうかということを考えた時に、
やはりまだまだ、男の子がいわゆる「女っぽいものを選ぶ」ことに対する社会の風当たりが強いのではないか。そこに対する心配ゆえにそう思うのかなと感じました。
なので、家の中ではもちろん何を選んでもOKだけど、一歩外に出るなら止めてしまいそうな自分がいる。この社会で、もし息子がそれを貫いた時につらい思いをするのではないかと。
まだまだ「男らしさ」で結託することを良しとする、このホモソーシャルな考え方が根強い風潮の中で、苦しい思いをするのではないか。それが大きいのではないかなと思います。
でもそれこそがまさに変えていかなければいけないところで、先日のこちらの記事にも書いたけれど、
「男の子なのに」「男の子なんだから」という言葉で自分の好きなものを否定される、弱音を吐こうとするその口を封じられる、強く逞しくあることを求められる。「男らしくあること」を求められる。
それがいつか積もり積もって、弱さをうまく吐き出せる場がなくて暴力という形になってしまうのではないか。
それとは逆に、娘がいわゆる「男の子っぽいもの」を選ぶことに対してはそれほど抵抗がないのは、むしろいわゆる「女の子っぽいもの」を好んで性的な対象として見られることがあっても嫌だな・・・という思いもあるのかもしれない。
そう、今「性」について考える時のいろいろなモヤモヤの根本はきっと繋がっている。
でも、ここの根本にある問題をまだまだ私が自分の中でうまく整理できていない。ここを的確に言葉で表現できないことが、今の私の課題だと思っていて。
なので、このあたりを今年はもっと基礎から学ばないといけないなと思っています。
それと関連して、
ここ数日、Xの一部で話題となっているCMをご存じでしょうか。
このCMに対しても、私は明らかな違和感を抱いています。「どうしてこのCMを良しとして世に出したんだろう」と。
でもその意見は少数派なようで、この違和感をただ「気持ち悪い」「生理的に受け付けない」「何でもかんでも女性を性的に描かないで」と言うだけでもっと底にある根本的な問題をうまく言葉で表せないと、「ただ過剰に反応して感情的に吠えている人」と捉えられてしまうんですよね。
なのでここをもっときちんと学びたい。
どこから手をつけたらいいのでしょうか。
すでに何度もご紹介していますが、こちらは繰り返し読み返したい。
あと、フェミニズムを学ぶならまずは田嶋陽子さん。ということで、以前教えていただいたこちらも読まなければ。
アルテイシアさんのご著書もわかりやすいので何作か読んでいます。
最新刊はこちら。
他にも皆さんのジェンダー関係のオススメ本を教えてほしい。
あと、途中で引用したホモソーシャルの記事の出典元である「パレットーク」さん。インスタの投稿も勉強になるのでよく見ています。
こちらの本も。自分の中のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見や思い込み)に気づくきっかけにもなるかもしれません。
私もまだまだ学ばなければいけないことがたくさんある。
でも今日みたいな小さな違和感と向き合いながら、その根本に潜んでいるものは何なのか、違和感を感じずに済むためにはどうしたらいいのか、そしてこれからの子ども達のために自分に何ができるのか。
これからも考え続けていきたいと思います。