東京の休日 #78 〜「三菱の至宝」を愛で、和菓子で夏の夕べを祝した週末のこと〜
現在、三菱一号館美術館で
開催されている
『三菱の至宝展』
(2021年6月30日(水)~9月12日(日))へ
足を運んできました。
「三菱」を創業した
岩崎家4代のコレクションを
みることができます。
その文化財や美術品の中には
国宝や重要文化財も
多く含まれているのです。
印象的だったのは、
所蔵されている「書」の豊富さと
展覧会の最後を飾る「陶磁器」の美しさ。
「書」でいうと
元の時代の
国宝 《与中峰明本尺牘
(ちゅうほうみょうほんにあたうるのせきとく)》
唐の時代の
国宝《古文尚書》 から
マルコ・ポーロ『東方見聞録』
古代インドの聖典『リグ・ヴェーダ』
などの書物、
江戸時代の世界地図に加えて、
シーボルトの
植物図鑑、動物図鑑までが
集められているのです。
バラエティに富んだコレクションに
知的好奇心をくすぐられてしまいました。
(↑美術館前の薔薇もきれいでした。)
さらに、陶磁器も素晴らしいのです。
国宝の《曜変天目(稲葉天目)
(ようへんてんもく・いなばてんもく)》
は一度でもこの人生でみられてよかったと
思えたお茶碗でした。
12〜13世紀につくられたこちらは
日本に三つしかないそうで
すべて国宝に指定されています。
空に浮かぶ星のように
きらめく独特の模様に
あっという間に
惹き込まれてしまいました。
こちらをイメージした
パネルの撮影も館内で行なうことができます。
(フラッシュをたくと
このように変わるのです!)
また、野々村仁清(ののむらにんせい)
《色絵吉野山図茶壺 》
の黒い背景に細やかな桜と
金色の霧が輝く様子や
瓢箪(ひょうたん)の形をした
《青磁象嵌葡萄文瓢形水注
(せいじぞうがんぶどうもんひょうけいすいちゅう)》 も
そのシルエットも、淡い緑の色合いも
葡萄のデザインもとても素敵でした。
《三彩貼花文壺(さんさいちょうかもんこ)》の
白いベースに
ブローチのように石が埋め込まれ
滴る藍色で囲まれている文様も
興味深く鑑賞してしまいました。
そして、貴重な至宝を愛でたあとには、
その余韻に浸るべく
「紫野和久傳(むらさきのわくでん)」さんへ。
京都の料亭
「和久傳」のお味を堪能できる
茶菓席がもうけられています。
メニューは、
季節のお菓子と
お抹茶とほうじ茶のセットのみ。
お茶室にいるかのような
カウンター席で
こちらを愉しめるのです。
今回は、三種類の生菓子の中から
見た目の美しい
「笹ほたる」を選びました。
夏の夕べに光るほたるに
見立てられた羊羹です。
つるんとした口どけと
お抹茶餡の上品な甘さに
終始うっとりとしていました。
三菱一号館から歩いてすぐにある
こちらのお店は、
『三菱の至宝展』鑑賞後に
ほんとうにぴったりの場所でした。
皆さまもどうぞお身体大切にされて
素敵な7月をお過ごしくださいませ。
写真・文=Mana(まな)
『三菱創業150周年記念 三菱の至宝展』
会場:三菱一号館美術館
東京都千代田区丸の内2-6-2
会期:2021年6月30日(水)~9月12日(日)(会期変更) *展示替えあり
前期:8月9日(月・振休)まで/後期:8月11日(水)から
開館時間:10:00~18:00
※入館は閉館の30分前まで ※開館日、開館時間を変更は公式サイトおよび公式Twitterにてご確認くださいませ。
※夜間開館日(20時閉館)もありますので、こちらも公式サイトなどでご確認ください。
休館日:月曜日、展示替えの8月10日(火)
(但し、祝・振休の場合、7月26日、8月30日、9月6日は開館)
https://mimt.jp/kokuhou12/
紫野和久傳 丸の内店
住所:東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル1階
営業時間物販:10:30~19:00
茶菓:11:00~17:30(L.O. 17:00)
定休日:無休(元日のみ休業)
https://wakuden.kyoto/store/marunouchi/