京都の休日 #8 〜秋の美しさに身をつつむ「圓光寺」で出逢ったのは〜
四季を問わず麗しい京の街ですが
秋の美しさはまた格別でした。
訪れたのは左京区にある
圓光寺(えんこうじ)。
徳川家康公により「学びの場」として
建てられたのが始まりだそう。
研ぎ澄まされた空間で
勉強がはかどる...というよりかは
四季折々の輝きに見惚れて
(わたしなら)ぼんやりと
時を過ごしてしまいそうな
素晴らしいお寺でした。
これからご案内していきます。
まず、出迎えてくれるのは
奔龍庭(ほんりゅうてい)。
クラシカルな枯山水とは一味ちがいますよね。
天空を奔(はし)る龍が表された
平成の枯山水なのだそうです。
留め石を置かず未完の状態にしているのは
みる人の心の中で完成させてほしいとの
想いがあるからとのこと。
奥へすすむと、秋色の
十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)が
広がっていました。
緑色の苔の上に紅いモミジが
おしげもなく飾られているかのよう。
講堂の縁側から
お庭を眺めるのがとてもよかったです。
座禅堂からの眺めもまたよいのです。
そして、一瞬お池にみえないほどに
モミジの葉がふり積もっている
栖龍池(せいりゅうち)。
浮かぶ葉と沈む葉のコントラストがあって
その豪華さはまるで打掛の柄のようでした。
お池にかかる橋を渡ると
これまた美しい応挙(おうきょう)竹林が。
きりっとした緑と優しい紅が
風情ある景色をつくり出しています。
鐘楼の前を通り、
その先にある階段をのぼると
徳川家康公のお墓と東照宮がありました。
高台からの景色には
うっとりとしてしまいます。
階段をおり本堂へ戻る途中、
十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)に
なんとも愛らしいお地蔵さまがいることに
気がつきました。
紅葉に埋もれそうなお姿と
にこやかな表情は
こちらへいらっしゃるすべての方を癒し
惹きつけているよう。
例外なくわたしも
また逢いにいきたいなと思ってしまっています。
雪をかぶる姿も
また可愛らしいのです。
桜の頃も艶やかな景色が堪能できるのだろうなと
こちらの本堂の襖絵を
帰りがけにみながら思ったのでした。
写真・文=Mana(まな)
(なお、写真は2020年11月28日に撮影したものです。)
瑞巌山 圓光寺
住所:京都市左京区一乗寺小谷町十三番地
拝観時間:9:00〜17:00
https://www.enkouji.jp