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【詩】雪国博士と転校生のぼく

とおい街から海を越え
この雪国までやってきた
はじめましてをたくさん言った
寒さのせいか声がふるえた

外では煙を吹けるんだ
少しだけ強くなれた気がした
いつか火を吹く怪獣に
なれたらいいな なれるかな

いまにも雪に飲みこまれそうな
一本道に不安を積もらせ
「ぼくは怪獣。ぼくは怪獣。」
火を吹く練習しながら歩いた

とある吹雪の下校中
怪獣の火で焼かれたみたいな
くるくる頭の博士と出会った

博士は僕を化石掘りへと誘ってくれた
なんのことだか分からないけど
言葉の響きにワクワクしちゃった

背の低い木に囲まれた
広くて真っ白な雪原へ来た

力を合わせてズカッズカッ
重たい雪を持ち上げて
掘って掘ってとにかく掘った
カツンッと私のスコップが
固いものに当たった音がした

慎重に手で雪をかき
姿が見えたその瞬間
2人はとっても大喜び

博士が言うにはこの雪原
怪獣達の住処らしい

吹雪はいつの間にか止んでいた

そのあとも2人は夢中になって
化石をどんどん掘り進めた
来る日も来る日も雪をかいた

綺麗に化石が掘り起こされて
ここだけ冬が終わったみたい
ここは博士の言った通り
怪獣達の住処だった

怪獣達がやってきて
もうあそこに近づくのは危ないけれど
ぼくはなんだか誇らしかった

火を吹く練習もしなくなった
ぼくの吐く息は透明で
ぼくと博士は友達で
僕の友達は博士だった

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