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059.自分より上の立場の人を上手く使えれば「テコの作用」を起こせる
著・三松會 占心行動学塾長 脇田尚揮 ■LINE公式アカウント■
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日本人は立場や権威に弱いとされていますが、その立場を上手に活かすことで人間関係に「テコの作用」を活かすことも可能になります。この“立場”の怖さを証明したものに、スタンフォードの心理学実験があります。
これは被験者を看守役と囚人役に割り振り、「模擬刑務所」の中で、実際の刑務所と同様の生活を送るよう指示するというもの。実験は、看守役が1日8時間3交替制、囚人役は交替制ではなく24時間ずっと参加しました。
その結果、実験開始から時間が経つにつれて、看守役は囚人役に対して残酷で非人間的な扱いをするようになり、囚人役は無気力・抑うつ的な状態に陥りました。そして、実験自体が危険と判断され、6日で中止になりました。
つまり、これは「立場」が人の心に与える影響力が、それほどまでに強いということの証明だと言えます。ただ、この実験ではネガティブな結果になりましたが、ビジネスの世界などにおいては、その人の社会的地位などによって印象が良くなる“権威効果”が得られることも多いと言えます。
そのため、もしもあなたが何か取り組みたいことがあるけど実績が足りなかったり、なかなか周囲が動いてくれない時には、立場が上の人(経営者、上司)の力を借りてみましょう。自分では動かすことができない大きな案件が動き出す場合も少なくありません。
もちろん、立場がある人自身の人望や実力といった中身の部分も重要ですが、ステータス(支点)を借りるだけで、案件(作用点)にかけるエネルギー(力点)が少なく済むのなら、素直にお力を借りた方がスムーズに進むことも少なくありません。
上司が部下を使うことも大切ですが、部下が上司を上手く動かすことも、また重要なのです。
Q.あなたは人間関係において「テコの原理」を活かしたことはありますか? 立場で損得を感じた経験はありますか。