待ち合わせ 【ショートショート】
高揚感と緊張感が身を包んでいる。この感覚は久しぶりだ。
まだ結婚していなかった時を思い出す。
あの頃も僕の方が先に待合せ場所に着いて彼女を待ってばかりだった。
今日も自分なりに精一杯めかしこんできたつもりだが、不恰好になっていないだろうか。
大きい橋の入り口で妻の美咲さんを待っている。
人通りもそれなりにあり、多くの人が橋を渡っていっている。
普段は周りの人間など気にしないが、待ち人を探しつつ人間観察をしてしまう。
中には自分と同じように、橋の入り口で立ち止まっている人いる