「ポイズンドーター・ホーリーマザー」「ホケツ!」を読んだ日

今週は2冊読んだので感想書きます。

・「毒」ってどこから見て?

湊かなえさんの「ポイズンドーター・ホーリーマザー」は久々に湊かなえさんの本を読むか、、と思い立ち図書館で借りた。
下記あらすじです。

女優の弓香のもとに故郷での同窓会の誘いが届く。欠席を表明したのは抑圧的な母親に会いたくなかったから。だが、思いがけぬ訃報を聞いて…。善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる短編集。

いや、シンプルにすごく面白かった。
短編集なので、あらすじにあるエピソードだけでなく、視点が変わると印象が一気に変わるエピソードの盛り合わせの一冊だった。
エピソード自体もものすごく面白かったのですが、意外に印象に残ったのは、脚本家・清水友佳子さんの解説。

数ある小説の中には、登場人物を愚かに描くことで読者に優越感を与えようとするものもあるが、湊さんの作品はそれを許さない。読み手自身にも心当たりのある描写をちりばめて「この人物はあなたでもある」と突きつけ、動揺する読み手の心に追い打ちをかける。そこを衝かれたらひとたまりもないスポットを、寸分狂わぬ正確さで狙い撃ち、肺腑をえぐる。読み手をあまやかさないエンタテイメントに、みな痛がりながら夢中になるのだ。

これ、湊かなえさんの作品について、これ以上ないぴったりな表現で解説されていると感じました。語彙力があるっていうのはすごいな。
何故読んでいて嫌な意味でのドキっとするのを感じるのか、それは自分が少なからず登場人物の嫌な部分に共感しているからなのか、、。


・優しい、ただただ優しい少年

次に、小野寺史宜さんの「ホケツ!」です。

サッカー部引退を間近に控えた高校三年生の宮島大地は一度も公式戦に出場したことがない。だが、母を亡くしてから同居している絹子伯母さんには「レギュラー」と嘘をついていた。最後の大会が終わったら進路を決めなければならない。悩む大地に十二年前に家を出た実父から突然、連絡があり…。家族、仲間、将来―迷いながら自分だけのポジションを探し出す物語。

青春だなぁ、眩しい、、と読みながら常に思っていた。笑
でも、高校3年生くらいで感じる、悔しさ、それを隠そうとする葛藤、受け止め方、伝え方、全部自分も感じていたり、今も感じている気持ちがたくさん出てくる本でした。

主人公の大地くん、めっちゃ優しいな。
分かりやすい優しさは、作中に出てくる3年生のキャプテン・尚人くんのような優しさなのだろうけど、大地くんの優しさを持つ人は、身近にいたら本当に大切にした方がいいんだよね。めったにいない。

これ、作中の同じ町が舞台の別作品もあるみたいで、今から図書館で探そうか迷っています。


今週はこんな感じ。
本当は映画「THE FIRST SLAM DUNK」についてめちゃめちゃ書きたい。読み進めてる原作についても書きたい。
ただ感じた気持ちに対しての適切な表現が見つからず、まとまりのない文章になることが目に見えている、、うまく文章が書ける人って本当に羨ましい、、

以上、おしまい!

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