ポールジョンとカバランのテイスティング、そしてマスターの二次試験
この3連休も検定テキストの校正と、週明けのセミナー、沖縄・宮古取材の準備に明け暮れた。検定テキストは5年ぶりの大改訂で50~60の新規蒸留所の原稿を書き、その校正、そして画像選びなど膨大な作業をこなさないといけない。3月上旬まで、ほぼ東京にいないため、その間の作業の指示出しを編集スタッフに伝える。刊行は4月末で、これからさらに再校、そして再々校の作業が待っている。
その合間に26日の月曜に行われるインディアンウイスキー、ポールジョンのセミナーの準備も行う。今回は蒸留所所長のマイケルさん、創業者のポール・ジョン氏も来日するため、オンラインでのセミナー、そして次々号のガロアのインタビューも行う予定だ。セミナーでテイスティングするのは、ポールジョンのウイスキー9種と、ブランデーのポールジョンXOの全10種類。それを24日の土曜日夕方にやってしまう。
ポールジョンは久しぶりに飲んだが、相変わらず素晴らしい酒質で、インディアンン・シングルモルトの質の高さに驚いてしまう。台湾のカバランより南の北緯17度のインドのゴアで造られるウイスキーだが、熟成の早さもさることながら、カバランと同じように凝縮された旨さ、コクがあり、人気のほどがよく分かる。エンジェルズシェアは年間8~10%ということだが、カバランと大きく違うところは、カバランが輸入した二条大麦の麦芽を使うのに対し、ポールジョンはインド産の六条大麦を使うこと。主にパンジャブ、ラジャスタンなど北部の州の大麦で、これをインドで製麦している。
今回はカニャやミスナなどの新商品をまじえたテイスティングセミナーだ。これが26日だが、翌27日は新宿のホテルで、カバランの15周年の新商品発表会。2種類の新商品がお披露目されることになっていて、そのテイスティングも、3連休にやってしまう。こちらはバーボン樽とオロロソシェリー樽。期せずしてインディアンとタイワニーズの飲み比べとなってしまったが、2つには共通するところもあり、一方で顕著な違いもありで興味深かった。
どちらも亜熱帯から熱帯という環境で熟成されているが、水や原料の大麦の違い、そして酵母などの違いなのだろう。カバランのほうがフルーティでクリーンで、そしてトロピカルな風味となっている気がする。一方でポールジョンには、他のウイスキーにはない、六条大麦の独特の旨みとコクがある。
2日連続で、まったく別の会社が主催するセミナー、そのイベントに私がコメンテーターとして呼ばれたことになるのだが、こんな偶然も面白い。ただ一人、私だけが両者を連続で味わうことができるからだ。
といっている間にも、スクールでは23日の金曜日はウイスキー検定の1級試験が、翌24日はガイアフロー静岡のウイスキートレイル、そして昨日25日は、コニサーのマスターオブウイスキー(MW)の2次試験が行われた。今回の2次試験は12名がチャレンジ。今までと違って、官能テストは全員が3種のブラインドに挑んだ。従来この官能は、個別口頭試問という形で行われたが、それだと一人20分で、4時間近くかかるため、官能だけは全員で、そして最終の口頭試問だけは個別面接という形で行うことにした。それでも、全部が終了したのは5時近くとなり、4時間におよぶ長丁場の2次試験となった。
その間、私を含めた審査員4人は5階のウイ文研事務所で、二次試験の確認。そして(一社)日本ウイスキー振興協会の設立に向けて、ミーティングを行う。とりあえず4月1日のジャパニーズウイスキーの日までに一社設立の申請をし、評議員、発起人、賛助会員、一般賛助会員、そして当面の活動資金としてクラウドファンディングで資金調達をすることが話し合われた。残された時間は、そう多くはないのだ…。
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