相変わらずの時差ボケとWBBC、モルトマラソン、そしてトリカブト事件…
アイルランド取材から帰って10日。時差ボケはますますひどくなり、完全に昼夜逆転している感じだ。夜11頃に寝ても1~2時には目がさめてしまい、それから眠れない。仕方なく朝の7時くらいまで仕事をして、それから1~2時間睡眠をするという日々が続いている。悪いことにオリンピックも始まってしまい、サッカーなど深夜観戦することになる。で、そのまま早朝から大リーグ中継で大谷である。こんなにも大谷の成績次第で、その日一日の気分が変わることになるとは、知らなかった。大多数の大谷ファンと同じように、その日のムードは、大谷が打つか打たないかにかかっている。なんともトホホな毎日だ。
ということで、時差ボケ・酷暑と闘いながら、連日のミーティング三昧。特に7月31日水曜に迫ったTWSC授賞式のミーティング。そしてウイスキー検定、北海道フェスとその後の北海道取材、さらにガロア、ウイスキーコニサーのWP試験、WBBC、スクールのモルトマラソン、一般社団法人、日本ウイスキー文化振興協会(JWPC)の設立と、その評議員、ホームページのアップ、マクアケによるクラウドファンディングと、やることが満載だ。毎日、恵比寿の仕事場と、ウイ文研事務所を歩いて往復しているが、それらの案件を詰め込んだクリアファイルが束になっていて、肩にずしりとくる。そのせい(?)もあってか、腰痛、脚痛にも悩まされ、このところ病院通いだ。
腰はもともと20歳の頃に、探検部の遠征費をかせぐために、深夜の地下鉄工事をやっていた時に痛めたものだ。現在の有楽町線のちょうど市ヶ谷駅の地下トンネルの作業をしていた時で、その後、ヘルニアから坐骨神経痛になり、一度は完治したかに思えたが、こんどは25年前に右膝の高原骨折。7~8センチのボルト2本で止めていたこともあり、以来、腰だけでなく、右脚にも古傷をかかえることになった。人間70歳にもなれば、体のいたるところにガタがくるが、こればかりは痛みを経験した者でないとわからないだろう。
と、いいつつも取材は待ってくれないので、アイルランド後も北海道や白州、そして中国、京都と目白押しに。ほぼ毎週のようにどこかに出かけることになる。その辺の最新情報やアイルランド取材について、24日の水曜のWBBCでは、約1時間にわたり、報告することになった。あいにくMCのトムセンさんは体調不良ということで、私と代表世話人の渋谷さん、中居さんの、ジジイ3人衆でやることに。平均年齢は限りなく70に近い…。
さらに、その翌日の25日(木)は、第9回目となる「モルトマラソン」。グレンのつく蒸留所ばかりで、グレングラントからグレンキース、グレンキンチー、グレンロッシー、ザ・グレンリベット、グレンモーレンジイまで6種を解説しながらテイスティング。大全、まるごと一冊を飲んでみようとスタートした講座も、ようやく5分の2が終わったばかり。“グレン隊”は、もう少し続くが、8月・9月は休みにして、第10回は10月最終週にやることを決定。おそらく大全一冊終わるのは、来年12月くらいになるかもしれない。2年超におよぶ、文字通りモルトマラソンである。
WBBCとモルトマラソンを2日連続で行い、どちらも終わってから近所の居酒屋に行って、2日連続で日本の居酒屋を久しぶりに堪能。それにしても、この酷暑はいったいいつまで続くのだろうか。アイルランドから帰った日以来、エアコンは付けっぱなしの日々が続いているのだが…。
そういえばWBBCのライブ放送の前には、まったくウイスキーと関係ないがTBSの夜のスペシャル番組(8月14日放送予定)で、1986年5月に起きた例のトリカブト保険金殺人事件が、再び取り上げられることになり、そのインタビューと収録を3時間近くにわたって行った。NHKの『アナザースカイ』をはじめ、多くの番組ですでに10回近く取り上げられているが、今回はTBS。それも再現ドラマも混ぜながら放送するという。
トリカブト事件は、私が32歳の時のことで、当時記者をしていた『フォーカス』で、スクープとして報道したものだった。あれから38年、もうじき40年になる。忘れていることも多いが、今でも時折こうしてテレビなどで取り上げられ、そのたびに私のところに取材依頼がくる。記者名利につきるが、合計2日間、事件のことを話していて、当時の記憶が鮮やかに浮かび上がってくるから不思議なものだ。舞台は池袋、そして大阪、さらに石垣島のリゾートホテルであった。昨年、石垣の泡盛蔵6社を取材したときに、そのコテージも訪れたいと思っていたが、今はすっかり建て替えられていて、当時の面影はない。考えてみれば泡盛の取材で出会った人たちも、当時のことを覚えている者はほとんどいなく、多くは生まれてもいない人たちばかりだった。往事茫茫とはまさにこのことか…。