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グラバーボトルに代わる新しいシリーズ、百人一首、そして桃源郷シリーズについて

 つい先日正月を迎えたばかりと思っていたのに、もう2月も20日を過ぎてしまった。年明けからイヤーブック、コニサー倶楽部、コニサーの最新資料集、そしてガロアの執筆・校正・編集作業に明け暮れていたが(2ヵ月で150枚くらい原稿を書いている…)、ようやくイヤーブック、コニサー倶楽部、そして資料集ができ、ガロアも先週金曜に無事入稿することができた。といっても、まだ8割くらいで、今はその校了に向けて再校と最後の原稿を書いている最中である。



 並行してその間進めていたのが、コニサー会員向けのコニサーボトルと、横浜フェス、大阪フェスそして12月の東京フェス向けのボトルの数々のテイスティング、そしてラベルのデザインである。ここ2〜3年フェス記念ボトルはグラバーコレクションでやってきたが、今度の横浜フェスで、グラバーコレクションシリーズの50本が完結する。もともとグラバー魚譜801点の中から、50本(種類)だけ魚譜の使用許可を、長崎大学からいただいていた。それがついに最後を迎えたというわけだ。

 それに代わるシリーズとしてフェスボトルは、今度、百人一首シリーズを考えている。百人一首を表ラベルには上の句の五・七・五だけ載せ、裏ラベルには下の句の七・七をプリントしようというものだ。もちろん表ラベルの制作はトートバッグをやってくれている版画家の渡辺トモコさんだ。すでに昨年秋くらいから話をしていて、ほぼコンセプトが決まったので、今年大阪フェスからその百人一首シリーズが始まることとなる。

 コニサークラブの会員向けボトルはすでに会がスタートした時に2本ほどボトリングしているが、発足から1年半が経ち、これからは本腰を入れてボトリングしようということになり、新しいシリーズラベルを考えていた。もちろんコニサークラブの会員には先行販売だが、これからはウイスキー文化研究所の会員対象に広く販売したいと思っている。コニサー有資格者に限定したものではないが、一応コニサークラブ会員は先行販売、そしてプライスも特別価格を用意しようと思っている。

 そのラベルは「シャングリラシリーズ」、桃源郷シリーズとして、私のチベットの写真を使っていこうと思っている。それもモノクロが中心だ。多くは1975年、76年、79年、そして1981年(これが最後の旅となった)に、私が西チベット、ラダック・ザンスカールで撮った写真で、当時はもちろんカラーポジと、そしてモノクロのネガフィルムである。したがって古い物では、50年、半世紀も前の貴重な写真ということになる。

 そういえば先日、小学館の『サライ』のインタビューも受けたが、やはり私の大学探検部時代、そして『フォーカス』時代、さらにイギリスに渡ったきっかけ、ウイスキーとの出会いなど2時間くらい話をして、その時にもチベットの写真に大変興味を持ってもらった。

 当時、私はトータルして1年ちょっとラダック・ザンスカール地方にいたが、それらが少しでもお役に立つことになれば、嬉しいと思っている。ウイ文研として『チベットの原風景』など2冊の本を出しているが、ザンスカールの村々で行った民俗調査、フィールドワークについては、まだ発表していないものが山ほどある。インド・中国のこのところの発展、近代化を見れば、この50年前のヒマラヤの村の記録は貴重といえるかもしれない。そこにあった村人の暮らしを、私ながらに克明に記録しているからだ。

 シャングリラシリーズとして、ラベルに使うことが決まったので、いつか時間ができたら、その写真の背景にある村人の生活や文化を語っておきたいと思っている。


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