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井川ツアーとウォータードラゴン、そしてTWSCの結果発表…


 ガロアにコニサー倶楽部、さらにコニサー教本のスコッチ編の執筆・校正に明け暮れる日々がずっと続いているが、原稿・編集だけに集中するわけにもいかず、このところウイスキートーク福岡、大阪フェス、そして井川ツアー、ウォータードラゴン蒸留所取材の準備等に明け暮れていた。

 その井川ツアーが行われたのは6月1日、2日の土日の2日間。これは昨年から始めたコニサークラブの国内蒸留所ツアーの第3弾で、今回は特別に十山の椹島(さわらじま)ロッジに泊まり、翌日見学という1泊2日のツアーとなった。詳細は次号のガロア(7月12日発売)と、『コニサー倶楽部』(季刊の会報誌)を見てほしいが、滅多にできない秘境のツアーを、参加者と一緒に満喫した。

 椹島ロッジはもともとダム建設のため、中部電力が建てたものだというが、現在はシーズンになると南アルプスの登山客や大井川源流部の釣り客が泊まる山荘になるという。もちろん、リニアの工事が始まれば、多くの労働者やスタッフも椹島にやってくることになる。そのために新しい宿舎も、すでに敷地内に建設済みだ。

 この椹島ロッジには大倉喜八郎が赤石岳に登ったことを記す記念の碑もあり、さらに亡くなった1年後(1929年)に息子の大倉喜七郎が建てた碑と、その時に植えられた3本の椹の木も見ることができた。すでに植樹されて100年近くが経ち、大きな木に育っているが、椹はヒノキによく似た木で、見た目はほとんど区別がつかないという。見分け方は葉の裏を見ることだと、十山のスタッフが教えてくれた。ヒノキの葉の裏には小さなYの字が見えるが、椹は、それがXとなっている。思わず、ツアー参加者が驚きの声を上げたほど、その違いは顕著だった。

 ロッジに泊まった翌日は蒸留所見学。これも詳細はガロアなどに譲るが、昼に再びロッジにもどり、その後下山。静岡駅についたのは5時過ぎで、そのまま新幹線のこだまに乗り、夜は三島駅前のホテルに一泊。翌3日の月曜日は朝10時にウォータードラゴン蒸留所に行く。昨年8月に訪れて以来で、今回、ウイ文研として樽を1樽買わせてもらうことになったので、その詳細を詰めるのと、熟成庫を見せてもらうのが目的だった。もちろん、現在の造りなどについても改めて取材。

 その注目のウェアハウス(?)のひとつが、三島市内のモデルハウスのガレージだった。それもカリフォルニアハウスのガレージに数十樽が置かれている。そのあまりに奇抜なアイディア、光景に驚いてしまった。もちろん、それはすぐに一杯になるはずで、現在は同じ市内の空き倉庫を第2の熟成庫として改造中で、おそらくここにウイ文研の樽は置かれるということで、それも見せてもらった。それにしても、毎回ウォータードラゴンには驚かされる。こんな発想を持っている蒸留所は日本、いや世界を探してもないかもしれない。

 結局、午後遅くに東京にもどってきて、そのまま7月上旬に行われるアイルランド取材のための買い出し。4日の火曜日からは、午前中はガロア、コニサー倶楽部、コニサー教本の原稿・校正をして、午後はウイ文研でミーティング三昧。ウイスキートーク福岡の荷物の準備も待ったなしだったが、TWSC、そしてコニサーのエキスパート試験の結果発表もあり、そのミーティングに明け暮れる。

 TWSCは5月の金・銀・銅、最高金賞の結果発表に続いて、第2弾として特別賞の発表を行うことに。TWSCの目玉のひとつであるベスト・オブ・ザ・ベストや蒸留所賞などを、正式に発表。さらに今年の4月から進めてきた、ジャパニーズウイスキーの法制化に向けての一社の立ち上げや、評議員の選定、議連の設立、そしてクラウドファンディングに向けての準備やミーティングも、その合間をぬって連日のように続いている。

 毎日、事務所に抱えていく案件ファイルが100を超え、日々パニック状態だが、6月最終週には大阪フェスがあり、それが終われば7月4日から、5年ぶりのアイルランド取材が待っている…。まさに分刻みのスケジュールである。



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