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あばれるには10年遅かった

あばれ食い、というのをご存知だろうか。
滋賀グルメをメディアが取り上げる際、大体言うに困って「近江牛…?」って出てくるアレ。せやね、滋賀県別に何もないもんな。琵琶湖で魚って言ったら釣りカスがバスとかぬかすもんな。バスは外来魚じゃバカタレが。リリースすんな。命で遊ぶな。食え!
閑話休題、その近江牛。日本の三大ブランド牛と言ったら、松阪牛に神戸牛(ビーフ)がまず何を置いてもあがってくる。そして三つ目、近江か米沢か、という三位争いをしてるのがこの近江牛だ。
しかして、褒められるにしても赤身が美味い、など胡乱なことを言われているような気がするが、世間はそもそも、松阪に神戸もそうだが、きめ細やかなサシこそが至上みたいな風潮じゃないか。その脂身が食った時の香味や満足感に繋がるんですから、そこからしたら近江牛ってじゃあどないなん?と言われるわけですよ。
そういう口の人からすれば、赤身が美味いとしか褒められないんじゃないですかね?と思ってる。

じゃあ、何が凄いのさって?
歴史ですね。近江牛と冠したブランドとしてはつい最近だから、結局のところ、昔からやってますよ、というのが正しいところじゃないですか?
身も蓋もないけれど。
肥育を始め、高級ブランド化への舵を切ったのもバブル後期あたりっぽいし、まぁそういう需要は残り続けたって事なんでしょう。
だから、自分は別に脂こそが旨みだなんだとは思ってない。美味い牛肉を育てて届けるという心意気があるなら、別に良いじゃないかと思ってる。
実際美味いし。赤身だ脂だなんかの理屈は要らんのよ。美味いもんは美味い。


さて、この近江牛が食い放題だとしたら、どうだろう。
そりゃ美味い肉が食い放題なんだから、嬉しいに決まってる。
しかしだ、そこに松茸までもが食い放題ならどうなる?
知らんのか。

あばれ食いだ。

ちいちゃーく「松茸は外国産だよ」って書いてる

滋賀県の信楽、信楽焼のたぬきで有名、さらに茶どころ。そんなところにある「魚松」なる店。
ここが「あばれ食い」の店だ。
正真正銘、食い放題。松茸は輸入モノだが、何、美味いには違いない。

しかしこの松茸というやつ。トリュフと違って世界的にはそんなに美味いと思われていない。
日本向けに売ると高くなる、という認識になってきたには違いないが、同じキノコのトリュフと比べると、やや不遇な扱いを受けていると思う。
同じ「香り」を売りにしているのに、何故。
これについては、松茸が「死体の臭い」と言われているとか何とか聞いた事があるので、これは完全に「納豆」みたいな扱いを受けていそうな気がする。
じゃあ安く買えるやろ、とはならないのが難しいところ。最近は日本向けに高く売れるから、と外国産もそこまで安くないとか。パッとイメージする中国なんかは全く安くないらしいです。

で、独自で安いルートを持ってるのか、ここの松茸はマジで山盛り来る。
またまた、そんなぁ。言うて2、3本でしょ?と思ってる人。
ゲンブツはこんな感じだ。

ストップと言ぇえ!!
ドンッ!!

でっけぇザルに松茸を山盛りに持ってきて、「ストップ」と言うまで入れてくれます。
その結果、火が通らんぞコレ、ってレベルの松茸山が出来上がります。
マジでこのレベルの食い放題なんです。

そして肉もこの方式なんです

もはや寄せ鍋みたいな内容

松茸も近江牛も火が通らんて、ってレベルで溢れ返ります。
コレがマジで時間いっぱい延々と繰り返されるのが「あばれ食い」なのです。

さて、ここで問題にしたいのが「胃袋の準備は充分か?」という点です。

松茸の香りと肉の脂を存分に堪能した結果、「果たして俺は幸せなのか?」という自問自答に追い込まれるのです。
そうですね、満腹感ですね。

お客がいっぱいだと「二時間ですよ」と時間制限を言われるものの、どんな健啖家ですら一時間ほどで「もういいかな…」と言っちゃうのが、すき焼きってモノなんです。
そして写真を見ての通り、僕らは複数人で楽しんでいるわけですが、実はほぼ「経験者」でして。前回思うほど食えなかったので、各々敗因を分析し、今度こそ心ゆくまで食おうじゃないか!と集まった有志なのです。

ある者は酒を断ち、
ある者はワインを片手に、
ある者は野菜を合間に挟み、
ある者はひたすらに肉と松茸を詰め込み、

そして、再び敗れたのです。
まぁすき焼きだからな…というのが我々の出した結論。それと、あと数年若ければ、という意見が大半。
僕らの年齢層、20代から60代なんだけど、それは全員知らなかった事にして、そう結論づけた。

あばれるには、数年遅かったのだ。

あ、ちなみにあと数千円足したらしゃぶしゃぶになるらしいっす。
どう考えても、思ったほど食えなかったのは我々がケチなせいでは?と誰もが思ったのは言いっこなしです。

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