ゲームさんぽが続いてほしいな、という願望
ちょっと前(公開しようとしてる現在3月中旬から。コトは2月末でしたね)に、ゲームさんぽが無くなった。
正確に言うなら、YouTubeのライブドアニュースチャンネルに付随していたゲームさんぽが、コンテンツメイカーの退職とともに更新されなくなるという発表とともに、チャンネル名からその名を消されたわけだ。
この出来事に関して、ネットという世間では結構な話題になっていた。そりゃそうだ。ゲーム絡みでYouTubeを見ていた人にとっては、かなり面白い切り口でゲームを分析して語る、数少ないチャンネルだったからだ。
ゲーム好きがゲームを語る、というのは数々見られる話ではあるが、ゲーム内事象にまつわる専門家を呼んで、ゲームをしているところを見てもらい、気づいた事を口にする、というありそうで無かった試みが、とにかく世間にブッ刺さった。
単純にゲームが好きな人にだけ向けられたコンテンツではなく、聞いたことがあるゲームだな、というだけの浅い視聴者にも、このコンテンツは刺さっていた。
精神科医としての名越さんがDetroit: Become Humanのプレイを見て、次々と「細かな描写」を言っていくのは、ゲーマーのみならず、はっきり言って多くのクリエイターや映像コンテンツの消費者が「見たほうがいい」ものだと思う。
あれこそ、ゲームのグラフィックが向上し、映画的な、実写にほぼ近い描写が出来るようになったが故の、その表現を存分に活かした細やかなストーリーテーリングを、あのゲームの制作者たちがやっていたのだと分かる瞬間だった。
同様に、SEKIROだったりダークソウルだったり、その建築物や美術品から様々な意図を読み解いたり、どうぶつの森に出てくる美術品について学芸員がアレコレ言ってみたり、果てはゼルダ世界の気候について天気予報士が論じてみたりと、何じゃこりゃ!?となる切り口が目白押しであり、つまりは「やったことないゲームをやってみたい」と思わせる、かなりの有用コンテンツだったのである。
余談だが、某レースゲームの建築物談義で、「再現の限界」みたいなのに言及してるのも良かった。僕も昔よくやっていたゲームだったから尚更だ。
サクッとみられて笑えるのは、ハデスやゼルダ、そして三国志やストリートファイターだろうか。ストリートファイターでは、ガチゲーマーとボディビルダーがゲーム対決していたりと、オチとして面白いこともやっている。
こんな風に、良コンテンツを雑に消してしまう結果になったが故に炎上したというわけだ。
Twitterで、当初僕は「ホリエモンも被害者だな」と言っていたが、あれからよーく調べた結果、まぁ燃えて然るべきだったんじゃないかと思い始めている。
あの時、ホリエモンはライブドアの経営主体の、かなり上位に復帰していたのだから、やはり責任はあるだろう。まして、ライブドアよりも規模の大きい自分のチャンネルを持っている人間が、そのチャンネルでニュース解説をしようと言うならば、事前のリサーチくらいやるべきであり、それを怠ったが故のイメージ崩壊なのだから、そりゃ責任が無いわけ無い。
そのチャンネルに雑な動画を上げているというだけで、ユーザーをどう見ているかが透けるのだと言うことを知らんと言うハズなかろう。知らんけど。
乗っ取りという穏やかでないワードが何故出てきたのかも、ライブドア経営陣は理解していないだろう。
というか、「ライブドアニュース」というチャンネル名自体は確かに母体としてあったが、ゲームさんぽは元々別のチャンネルとして存在し、それをライブドアニュースがコンセプトを継いでやっていたという流れが外部から観察できるし、何よりライブドアニュースの動画更新自体が、ほぼゲームさんぽメインになっていたという現実も相まって「ライブドアニュース」こそがおまけと認知していた人も多いだろう。
ネットコンテンツを扱う会社なのに、こんなんでいいの?と言われる事態を自分たちで作っていたのだから、これは甘んじて受けるべき批判だと思う。