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【『ちむどんどん』放送開始記念?】酷評された『純と愛』を再評価したい

沖縄を舞台とする、朝ドラ『ちむどんどん』が始まりましたね!

沖縄を舞台とする朝ドラと言えば、『ちゅらさん』(2001年)が知られています。

もうひとつ、2012年に『純と愛』という作品があるのですが、こちらは酷評されており、「朝ドラの黒歴史」と位置付けられています。

私は4年間沖縄に住んでいましたが、地元でも『ちゅらさん』の話題は出てきても、 『純と愛』の話題は出てきません。

沖縄に住んでいるころ、沖縄を舞台とする映画・ドラマ・ドキュメンタリーをたくさん見ました。

『純と愛』も、総集編を見ました。

本作が「朝ドラとして」酷評されている理由は理解できましたが、ドラマしては十分に優れた作品だったと思います。

脚本は『女王の教室』『家政婦のミタ』などで知られる遊川和彦氏で、鳴り物入りで彼が起用されたわけですが――。

実際に脚本は良くできています。ただ、朝ドラの定石を破り過ぎたんですよね。

ヒロインの性格が必ずしも良くなく、正直にモノを言ってしまう上に、ヒロインの家族が身勝手で、家庭内でトラブルが絶えないし・・・
恋人役が「人の心が読める」という超常能力を持っていたりするし・・・

『あまちゃん』がこれまでの朝ドラの概念を覆して、若者から絶賛された一方で、それに先立つ本作は、酷評されてしまった・・・

本作の失敗をヒトコトで言えば、「カテゴリーエラー」だったと思います。

朝ごはんなのに、エイヒレやあん肝みたいな居酒屋メニューの珍味が出てきてしまった――という感じでしょうか?

大河ドラマの『いだてん』もそうなんですが、NHKの老舗番組で「定番メニュー」を求めている視聴者が大半の中で、カテゴリーエラーを起こすのは致命的なんですよねぇ。

一方で、定石に従っているだけだと、「マンネリ」に陥ってしまう。

『純と愛』に話を戻すと、これを「朝ドラ」と枠を取り払ってみると、「良くできたドラマ」と言えますし、歴代の朝ドラと比べても勝るとも劣らない面白さがあります。

性格が良く、元気で前向きなヒロインが、挫折しながらも、周りの人たちの助けを借りて夢を叶え……みたいな朝ドラを見て「さあ、今日もがんばるぞ」みたいになるのは良いんですけど、そんな世界って、ほぼフィクションというか、ファンタジーの世界だと思うんですよねぇ。

番組終了後に、毎朝15分×半年間のフォーマットを外して見直すのって、なかなか面倒臭いところはあるんですが、改めて見て、客観的に評価してもらえればよいかと思います。

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