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苦いコーヒーを飲みながら…若き日の父を思う高校生のお話

昨日noteに書いたこと

の続きを、Twitterで少しだけ話した。

このことをもう少しだけ詳しく。

私のマッチングのお勧めが効いたのか、夫は息子を誘い、息子も合意し、二人は1時間ほどのお出かけすることに。目的はディーラーへのオイル交換。「楽しいお出かけ」ではない。

「息子、新車見たいかも。誘ってみたら?」
我ながら見事な采配。
きっかけが出来、出かけていった。


帰ってきた二人。

まずは車の事を聞いてみる。

とりわけ特になし。そりゃそうよ、オイル交換だけだから。

三人でご飯を食べ、夫がお風呂に入ってる時、息子がこそこそと話しかけてきた。

「父さんって苦学生だったんよ」

「聞いたの?」

「言ってきた」

あれ少し話が違う。

よく聞いてみた。
息子は春から進学で家を出る予定。進学先が確定するまで定まらないのだが、最初は長男と一緒に住ませる予定が、入る大学によっては一人になる。それに触れたことを「言ってきた」と言ってるのだ。

学生時代、一人暮らしした夫は…
♢テレビがなく情報源はラジオだった
♢もちろん携帯もネットもない
♢電話もない→かける時は公衆電話
♢仕送りは家賃だけ
♢食ってくためにバイトは賄い付きにした
♢エアコンも扇風機もなく、うちわを仰いで涼をとった
♢アパートは、ボロくはなかったけど北向きで、冬は寒かった


などなど聞いたらしい。

私も初知りの話も多かった。

不器用な父なのに、この子聞き出すの上手いんだなー、と感心しつつ、折角の父子の秘密かもしれないことを沢山聞いては申し訳ないので、話題をディーラーのことに切り替えた。

車の話するかと思いきや、

「あ、それね。あそこのコーヒーは苦いわ」

あれ?コーヒー?
以前はジュースもらってたぞ。

そうか、大人ぶってコーヒー頼んだんだ。

用を済ますため行ったディーラーへの父子のおでかけ。
奇跡的に訪れた機会と、差し出された苦いコーヒーが相まって、思い出に深みを与えたように思えた。

夫からの話では、
免許も取れる年になった息子が、子どもの頃とは違う目線でピカピカの新車を見てたらしい。
自動車メーカーの一員としては、そこは少しだけ知識をひけらかし楽しく二人で新車を見たんだろう。
二人に行ってもらってよかった。





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