色見本帖
セピアより深い思い出の色
夕陽に染められた烏瓜は
眩しい、眩しい
と、感謝しながら泣いている
今さら初めて浴びた光が
山の豊かな実りを
さらに色濃く染めてゆく
烏瓜は
秋の夕陽をまといながら
思い出の色を放っている
哀しみをブレンドした優しさの色
ずっと山羊座に居座っていた冥王星が
動く時が来た
重く太い鎖は サビついて
既に千切れている
努力の人よ
立ち上がり思いのままに歩き出せ
幸せを手にする時がきた
YouTubeはみんな同じことを言う
暗闇で仕掛けられた
トラップを外せ
哀しみを敵にしてはいけない
忘れ得ぬ痛みと
時おり疼く傷が
未来へと導いてくれる
YouTubeはまるで容易いことのように言う
幸せ 哀しみ やさしさ
形をもたない ありきたりの言葉の
見えない姿を 手探りでまさぐる
窓越しに柔らかく差し込む
光の温もり
夕凪の海を包み込む
変幻する空の妙
冴えわたる冬空いっぱいの
星の囁き
庭先の季節はずれの
花の笑み
手を伸ばした指先から
静かな感動がそっと満ちてくる
こちらの企画に参加させていただきます。
三羽さま、よろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?