「本を語る」2024/6/26「還暦からの底力」
❶[1BOOK]
「還暦からの底力〜歴史・人・旅に学ぶ生き方」
出口治明著 (株)講談社 講談社現代新書2568
2020年5月20日第1刷発行 2020年5月21日第2刷発行
❷「今日の言葉」
☆年齢の縛りから自由になる
好きなことをやる、あるいはやれること。人間の幸せはそれに尽きます。「人・本・旅」でいろいろな人に会い、いろいろな本を読み、いろいろなところに出かけて行って刺激を受けたらたくさんの学びが得られ、その分人生は楽しくなります。
幸せな社会とはみんながそれぞれ他人に気兼ねなく、自分の好きなことに打ち込める世界です。私たちがつくり、次世代に引き継いていくのは、そういう社会でなければなりません。
❸「本を語る」
この本の発行日を見てください。まさしくコロナの真っ最中であり、外出が制限され、みんなの興味が「読書」に向き始めた時です。
[思いついたこと]
望月俊孝さんの「4C速読」に出会ったとき、私はすでに還暦を超えていました。それでも、もともと読書は好きで、作家になりたいという夢を語っていたのです。そんな私が「1日1冊読めるかなチャレンジ」を始めたとき、一番困ったのは、「4C速読」に適した本が、ほとんどなかったことです。文学や歴史、あるいは哲学といった本や、自分以外の人間が購入した本は、「ゆっくりじっくり読まねばならない」ものばかりでした。しかも、私自身は、長らく「ビジネス書」や「自己啓発」を毛嫌いしていたので、その手の本は皆無だったのです。
[そして]
お金もなかったので、新刊は追えないので、オンラインの古書店を利用することにしました。1冊ずつ検索するのが面倒だったので、著者の名前で検索して、在庫のあるもの、価格の安いものから順に、30〜40冊をまとめ買いしていたのです。その時、検索したのは、神田昌典、本田健、望月俊孝そして出口治明さんでした。ちょうどテレビで「最後の授業」という番組を見つけ、APU学長としての出口治明さんの授業を見ることができました。
「ほんとうにやりたいことを見つけられるのは、ほんの1%の人しかいない」と言う言葉に衝撃を受け、歴史に造詣の深い出口さんの著書を、「全部読みたい」と思ったのです。
[しかし]
一番驚いたのは、出口さんは60歳で定年退職後、新しい事業のリーダーとなり、さらに民間人でありながらAPU(大学)の学長に公募で就任したことです。そしてその間、ずっと読書を続け、自分自身で「歴史の本」を書くまでになったのです。私の大学時代の恩師である三浦和男教授がいつも言っていました。「いつでもどこでも学問はできる」まさにそれを体現した人だったのです。ただ一つ、「速読は嫌いで、一字一句丁寧に読むのが読書だ」と主張されていることだけは引っかかったのですが、今では「読むスピード」自体が上がり、本によっては音読もするといった、多様な読書法を選択できるようになったので、その意見も否定せず、前向きに捉えることができます。
[だからこそ]
還暦を過ぎてからでも、いろいろチャレンジできるし、自分がほんとうにやりたいことを見つけ、それに必要な修行をする「時間」も十分あるのです。そのことに気づけたのは、この本のおかげであると同時に、1000日続けた「多読」の成果であると思います。今から思えば、「4C速読」は「本屋での立ち読み」であり、選書の第一段階だったのです。自分にとって必要な情報は何か、ほんとうに参考になる本はどれか、見極める力を養う修行だったと思います。これからは、自分の身に成る、選び抜いた本を熟読し、実践していく段階に入り、さらに自分の文章を書いていく、本を出して世に問うていく段階へと進んでいくのです。
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