シビックテックとCOVID-19とジェンダー
私はシビックテックに関わるようになってまだ2年ほどしか経っておらず、かつ本業エンジニアではないので、「お前はシビックテッカーではない。」と言われてしまうかもしれないが、少ない経験の中で今回の東京都のCOVID-19の取り組みに多くのエンジニアがコントリビュートをし、台湾のデジタル大臣もコミットし、オンラインハッカソンは高校生もお偉い人たちもみんなフラットになって手を動かしながら作って行くと言うムーブメントの中で考えていることを一度書いておきたい。
諸説あるが、これまで関わってきた中での体感を含め、シビックテックは、オープンデータ・オープンソース文化基盤とし、硬直化した社会構造に対して「IT活用」という手段を使いながら、市民と企業と非営利団体と行政を繋いでいくものだと言える。
そのため、東日本大震災(→sinsai.info)、台風被害(→台風26号被災状況マップ→紙マップ)、ウイルス(今回取り組み)など、災害・有事の時にその特性が分かりやすくなる。
今回のCOVID-19はまとめ記事が出ているので、それらを見ていただいた方が分かりやすいが、
東京都の公式としての情報公開の場に対して、GitHubとSlack、オンラインハッカソンでのzoomを通じて物理的時間的制約なく、かつあらゆる人がコントリビューター(貢献者)として参加することができており、
なんなら、台湾のデジタル大臣もコミットしてくれていたりして、
派生して「〇〇県版つくる!」となったり、「この機能をもうちょっと…!」と案が届いたりしている。
今回が、「外に出にくい=家にいてオンラインにつながっている時間が長い」「人が集まりにくい=オンラインで人と関わりながらできることへの関心が高まる」などの事案特性も相まっているのかもしれないが、この取り組みがきっかけに、「自分たちが動き続けた延長線上で社会が変わっている」「必要な情報は正しく公開し、正しく集約し、正しく伝われば、より市民が安心して暮らせる」という流れがもっと広まり、シビックテックの垣根を低くしていけるかもしれない。
3/7のオンラインハッカソンは総勢40名を超える人たちが参加してくれたが、3/14のオンラインハッカソンはマスクアプリで台湾国内でも認知が急激に広まっているg0v(台湾)とCode for Japanでオンライン接続ができるよう調整もしている。
マスクアプリについては唐鳳について日本のTVニュースでも取り上げられているが、中卒・トランスジェンダー・IQ180というキャッチーな言葉ばかりが踊っているが唐鳳だけがすごいのではなく、彼女とその周りのコミュニティ(高い機動性と柔軟な対応ができるシビックテッカーや行政内部)が基礎基盤として形成されていることでもある。
いざという時に動けるようになるためにも、今回のCOVID-19のプロジェクトのみが盛り上がるのではなく、これに続いて各地域の社会課題や身近な課題解決に繋げて、継続したシビックテック文化の実現に向けて動いていく必要性がある。
個人的にはジェンダー・教育を盛り上げていきたいと勝手に思っており、今日が国際女性デーということで、Facing the Oceanでg0vからの参加者の起案がきっかけとなって生まれた"herstory"について少し紹介したい。
台湾・香港・韓国・日本の有志がオンライン・オフラインで集まりながら開発が進められている(COVID-19の諸々もあり、3/8ローンチを目指していたが、現在も開発中である)。
昨年夏の沖縄で開催したハッカソンで2日目にプロトタイプができており、冬に台南で開催され際、プロジェクトオーナーがこれを議題にあげなかったのに対して韓国・日本からの参加者が「あれ、今回はないの?」と言ったことがきっかけとなり再開された。
シビックテックのつくり始めは企業のプロジェクトのようなKPIも納品日もないので、COVID-19のような緊急性がなければ、なかなか完成に向けてやり続けることが難しいこともある。
が、関心を持つ仲間がいること、オンラインで何かしらの反応があることが持続のエネルギー源になることもある。
なので、もし、少しでもシビックテックに心が動いた人がいたら、3/14や4/25のソーシャルハックデーに遊びに来てください。エンジニアじゃなくても関われるコミュニティですし、興味を持った人が1人顔を出してくれるだけて、励みになります。