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腰紐の考察~きんち~
着物を自装し始めて、腰紐のことが気になり始めました。今まで、手頃でよく見ると言う理由で、深く考えずモスリンの紐を買って使っていました。
絹地の腰紐がよいという噂を耳にし、以来気になって深掘りしてみました。
ある着物ユーチューバーさんの動画で、きんちの腰紐選びは、ゑり正の腰紐が一生物でお薦めと強く言われていました。理由は身体への一体感、馴染みが良く、腰紐をつけている存在感を忘れるほどだそう。且つ、着姿をしっかり保ってくれるホールド力が素晴らしいとのことでした。
他のきんちの腰紐を試してみたところ、ペラペラで締めると体に食い込み1本の紐みたいになる物があるとおっしゃっていました。
ただ、ゑり正の腰紐は高価な上いつも完売していることが多い、入手が非常に限定されています。
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特別な多色染めの腰紐8800円
2025.1現在全ての腰紐は完売中です。
そこできんちの腰紐について、もっと詳しく調べていきました。すると、きんちの腰紐の生地の厚みには、用途によって2種類があることがわかってきました。
以下、纏めています。
絹地腰紐の種類と特徴
絹地の腰紐には、主に「並目」と「重目」の2種類があります。それぞれの特徴を以下に詳しく説明します。
並目腰紐
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並目腰紐は、一般的に細めの糸を使用して織られた腰紐です。特徴としては、柔らかさと軽さがあり、着物の着付けにおいて動きやすさを重視する方に向いています。
通常、着物を着る際に必要な2本の腰紐のうち、1本は並目を選ぶことが多いです。これにより、着物のフィット感を調整しやすくなります。
重目腰紐
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重目腰紐は、太めの糸を使用して織られており、しっかりとした締め付け感があります。このため、着物をしっかりと固定したい方や、長時間着用する場合に適しています。重目の腰紐は、特に着物の形を崩さず、安定感を持たせるために使用されることが多いです。
並目: 軽くて柔らかい、動きやすさ重視。
重目: しっかりとした締め付け感、安定感重視。
このように、使用するシーンや好みによって選ぶことが重要です。着物の着付けにおいては、これらの腰紐を適切に使い分けることで、より快適に着物を楽しむことができます。
絹地の腰紐には、さらに「きんち」と呼ばれる特定の素材が使われることが多いです。きんちは、楊柳(ようりゅう)や絹縮(きんちぢみ)とも呼ばれ、関西地方で特に人気があります。この素材は、滑りにくく、体に沿ってフィットするため、締めても苦しくないという特性があります。特に、きんちの腰紐は、着用後にたたむ必要がなく、くるくるとまとめるだけで良いという利点があります。これにより、手間が省け、シワを気にせずに済むため、非常に便利です。
また、腰紐の選び方としては、用途に応じて選ぶことが推奨されます。例えば、耐久性を重視する場合は重目の腰紐を選び、結び目がごろつかないものを求める場合は薄手の腰紐を選ぶと良いでしょう。これにより、着物の見た目や着心地が大きく変わります。
幅広約6〜7㎝の絹地の絞りの腰紐
お値段はぐっと下がってお手頃1本1,000円でお釣りがくる絹の腰紐もあります。こちらは、とてもカラフルな色遣いで、入手しやすい。
並幅と幅広タイプの二種類があります。
製造のどこかのプロセスに中国や東南アジアでの製造が入っている物がほとんどです。
かつ、染色した色が水や汗を媒介に他のものへ色移りするリスクもあるようなので、事前に予備洗いをして使用することをお勧めしている情報が散見されます。
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絹地の腰紐の芯入りの絞りタイプ
着物の着付けにおいて非常に人気のようです。多くのレビューや評判から、以下のような特徴が挙げられます。
まず、芯入りの絞りタイプは、しっかりとした締まり具合がありながらも、体に優しくフィットするという点が評価されています。特に、絹の特性により、体温で柔らかくなり、しなやかさが増すため、長時間の着用でも快適さを保つことができます。
また、絹100%の素材は、滑りにくく、結びやすいという利点もあります。これにより、着付けの際に安定感があり、着崩れしにくいといった声が多く見られます。特に、幅広の腰紐は、身体に食い込むことが少なく、締め付け感が軽減されるため、快適に着用できると好評です。
一方で、芯入りの腰紐は、若干の解れや強度の心配があるとの意見もありますが、全体的にはその使いやすさと快適さから高い評価を得ています。特に、ポリ着物との相性が良く、年中使用できるという点も魅力の一つです。
このように、絹地の腰紐の芯入り絞りタイプは、着物愛好者からの支持を集めており、着付けの必需品としての地位を確立しています。
芯入りの絞りタイプの腰紐は、特に初心者や着物を頻繁に着る方にとって非常に便利です。多くのレビューでは、絹の腰紐がモスリンやポリエステル製のものよりも優れているとされ、特に「締めやすさ」と「快適さ」が強調されています。絹の特性により、体にフィットしやすく、締め付け感が少ないため、長時間の着用でも疲れにくいといった意見が多く見られます。
洗濯後の色落ちが気になる方には、事前に洗っておくことが推奨されています。使用時の色移りを防ぐことができるとされています。
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上げてくださっている画像をお借りしています。
さらに、絹の腰紐は、見た目にも美しく、着物の色やデザインに合わせて選ぶ楽しみもあります。特に、絞りのデザインは、着物の美しさを引き立てる要素としても重要視されています。
たかが腰紐、されど腰紐。
予算に余裕があり、選択肢を複数持つことに抵抗がなければ、複数の腰紐を購入して、使い分けてみるのも楽しいかなと思います。実際に人それぞれに好みも対感覚も違うと思いますから、使ってみたいなと思います。
ウールの着物にモスリンの腰紐。
暑い時期の夏着物に、すずろ腰紐。
袷の絹の着物に、絹地の腰紐。
など、着物との相性とかもあるかも知れません。
質感の違う腰紐をその時に応じて、いろいろ使い分けることで、一つの紐にストレスが集中せず、痛みも緩やかになるのかなとも思います。
まだ、着物初心者なので🔰あくまで調べた範囲での情報まとめでした。
又、ぜひ経験者様からのご意見もお待ちしていまーす。