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ちがう痛みを抱えているから

この世界には、ほんとうに、それはそれはほんとうに、いろんな人がいますよね。(あたりまえすぎる感想、すみません)

その「いろいろ感」が素晴らしくて、それに救われてきたように思う。

わたしはかつて不妊治療をしていました。
パートナーとの間に子どもがほしかったんですよねー。
不妊治療をやめたのは2年半前。現在44才。
子どものいない人生を歩むことになると思います、たぶん。

不妊治療中のこととか、治療やめてからの葛藤とか、いつか書いてみたいと思うけれど、この経験の中で、自分でも「へー、意外だなぁー」と思った心の動きがあったんです。
今日はそれがテーマです。

とくに、治療をやめてからの葛藤を、いろんな人にほどいてもらったように思う。

夫に対して怒りの感情を抱いていたとき、
性の枠を超えた生き方をしている友人が話を聞いてくれて
「そんな聖人君主じゃいられないよね」と言ってくれた。

わたしは、そのとき、初めて「あぁ、わたしは夫を憎んでいるのか」と、自分のほんとうの気持ちをさわってみることができました。

若いときから、結婚もしないし子どももつくらないと決めていた友人(パートナーはいる)に話を聞いてもらっていたとき、
「わたし、若いときから結婚もしないし、子どももつくらないって決めてたけどさ、40代後半になってきて、ほんとうにこれでよかったのかな?って思うときあるよー」と話してくれた。

わたしは、そのとき「若いときから自分のことを決めてきた彼女でさえ気持ちが揺れるのだから、子どもほしかったけどできなかったわたしがぐわんぐわん揺れたって、そりゃ当然のことなんだなー」と、自分の気持ちに寄り添うことができました。

20代前半で結婚して、4人の子の母になった友人には、特別養子縁組をすすめられました。
彼女は「わたしがこんなこと言ったらいやかもしれないけどさ」って前置きしてから、真摯に、自分がどうしてそう思うのかを話してくれました。

「子どものいる人にそんなこと言われたくない!」って。
「4人も子どもに恵まれてる人になにがわかるの?」って。

なりそうじゃないですか???

わたしも、彼女に対してもやもやした感情が出てくるかな?と思ったんです。
けれど、なかった。

彼女とわたしの信頼関係もあったと思うけれど、
彼女が子育てする中でいろんな葛藤を抱えていることも知っていたから。
(パートナーといろいろあったことも知っていたし、彼女は40代になってから自分がADHDだってわかったよーと話してくれた)

子どもが授からないという悩みについて専門的に対応しているカウンセラーさんのところに行こうかな?と、考えたこともあったけれど、なぜか、結局足が向かないままでした。

なんかね、境遇のまったくちがう人と出会いたかったんです。

世界は色とりどりだって、もう一度、この目でしっかり見たかった。

わたしたちは、みんな、担当するテーマがちがうのですよね。

自分の人生でなにを実現したいのか?
あたりまえだけれど、みんな、同じじゃない。

みんな同じじゃないから
みんなちがう痛みを抱えているから
あなたの痛みをわたしはほんとうの意味で理解できないかもしれないから

だから、だからこそ
響きあえるんですよね、きっと。


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さとう まみ
サポート頂けると、とってもうれしいです💖 誰かに言葉を贈ること、誰かを言葉で祝福することが、わたしにとって、とても楽しく喜びを感じる瞬間です。頂いたサポートは、ぐるぐると循環させて、生きたエネルギーとして、また別の誰かに、何かに、お返ししたいと思っています。