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【ここに来るまで】 2011年 ニュージーランドの大学教員になったプロセス  応募から選考

【ここに来るまで】シリーズ

このシリーズでは、公立高校の英語教員だった僕が、日本語教育と出会い、ニュージーランドの大学教員トップ10の一人として表彰されるまでの歩みを書いていきます。こういう展開になるとは、夢にも思っていませんでした。

この記事がほんの少しでもあなたのお役に立てますように。

🌈 僕の研究領域は応用言語学・日本語教育です。2009年にニュージーランドの大学で博士号を取得、高校教員をしていた2010年に日本語教育のポジションに応募し、幸運にも採用となり現在に至っています。現在でも選考過程には大きな差はないと思うので、少しでも参考になれば幸いです。

🌈 採用には色々な要素が絡む

日本でも他の国でも同じと思いますが、大学教員のポジションに採用されるのは、研究業績、教育実践、そのほか色々な要素が絡みます。自分以外の要因も絡んでくるので、自分でできることは研究業績と教育実践を充実させ、言語化し、いつでも報告や発表ができるように可視化し準備しておくことだと思います。

僕は大学教員になる前はニュージーランドの高校教員をしており、高校内での採用プロセスは把握していました。しかし、大学のポジションへの応募は初めてだったので戸惑いながら応募したのを覚えています。(ニュージーランドでは自治体の教育委員会はなく、各高校が独自に教員を採用します。)

🌈 応募

✅ 最初に書類審査
研究業績や応募理由を含めた書類一式の提出。
今はAIで英文の誤りを修正してもらえますが、当時は大学の先生や英語母語話者の友人に全てチェックしてもらっていました。

研究業績としては、学会誌で論文を発表していることが重要です。僕は高校の仕事があり、博士論文の完成のみに焦点を当てざるを得ず、学会発表や学会誌に投稿する時間的・精神的余裕は全くありませんでした。

高等教育では博士号を取得していること、取得予定であることが必須です。ニュージーランドの大学には、世界各国各地から、研究業績も教育実績もある人たちが応募して来るので競争はかなりシビアです。

高等教育での教育経験があることが望ましいとされますが、まずその経験をするチャンスを掴むこと自体が大変困難なことだと思います。

僕は高校教員をしていたので、大学でチューターや助手の経験をする余裕がありませんでした。そのような経験を積もうと思っても、外部からの採用は難しく、そもそも募集自体がほとんどなかったと思います。

✅ 書類審査通過後

① 研究発表
② 模擬講義
③ 面接
④ 学科の先生たち、そして他の候補者たちとの非公式の夕食(食事中も人となりを観察されているので緊張します。他の候補者とは研究分野がある程度重なるので意気投合できますが、同じ職に応募しているライバルなので落ち着かない食事の時間です)

採用には自分の能力以外のことも絡んでくる可能性があるので、不採用となっても、そこに成長のタネがあると考えて、前向きに進んでいくことが大切だと思います。とは言え、不採用になると落ち込みます。

✅ 僕の恩師からの助言

充実した研究業績が前提ですが、恩師からの助言の次の3つは意識していました。

  • 幅広い研究分野

  • ネットワーク

  • タイミングと運

🌈  振り返って

幸運なことに、僕は高校教員をしながら博士課程での研究をする機会を得ました。日本にいた時は高校教員の仕事だけでアップアップだったので、働きながら博士課程に入るということ自体がとても考えられないことでした。

ニュージーランドに移住したおかげで、このようなチャンスが生まれ、博士号を取得し、大学教員になれました。たくさんの人に支えてもらいましたし、運も良かったのだと思います。

こんな機会が生まれるということを知っていただけたら、そして何かの気づきにつながっていったら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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