
日本語教師必見! 嶋田和子さん 「言葉は人を強くする」 つながりと対話と共感で未来を拓く YouTubeインタビューまとめ記事
はじめに
2020年12月に開始したYouTubeインタビューチャンネル『転機・支え・幸せ』も5年目に入りました。
ありがたいことに、これまで51人の方に出演していただき、人生観を伺ってきました。
ことばがつなぐ人生の転機 嶋田和子さんの物語
人生には誰しも転機があります。ある日突然、これまでの道とは違う新たな道が目の前に現れ、心が強く惹かれる——そんな瞬間です。
今回ご紹介するのは、日本語教育に深く携わり、教師教育や地域日本語支援にも尽力されている嶋田和子さんのインタビューです。
嶋田さんの人生の転機、心の支え、そして幸せとは何か。
その言葉の一つひとつに、深い示唆が詰まっています。
嶋田和子さん
1946年、東京生まれ。1965年、東京都立西高校卒業。1969年、津田塾大学英文科卒業(2006年、放送大学大学院文化科学研究科修士課程修了)。大学卒業後外資系銀行に勤務。
その後専業主婦を経て日本語教師となる。幾つかの日本語学校に非常勤講師として勤務した後、1990年より学校法人国際青年交流学園イーストウエスト日本語学校に勤務。教務主任、副校長として教師の指導、学生の日本語指導・進学指導に当たり、2012年3月に退職。
退職と同時に2012年3月、一般社団法人アクラス日本語教育研究所を設立し、代表理事となる。同時に、早稲田大学大学院や清泉女子大学などで非常勤講師を勤め、2017年3月退職。また、さまざまな日本語学校における教師研修に力を注ぎ、地域日本語教室や国際交流協会の事業などさまざまな形で日本語教育に携わる。2021年からは杉並区子ども日本語教室の立ち上げに関わり、現在も企画・運営に携わる。
また、学習者の運用能力向上をめざし、8年近くかけて練り上げてきた日本語教科書『できる日本語 初級』を2011年4月に出版。以後、『できる日本語』の考え方(プロフィシェンシー重視の日本語教育)を教育現場に広めることに努めている。(2024年3月現在、シリーズは14冊となり、15冊目を作成中)
日本語教育は外国人のためだけではなく、日本人にとっても重要であるという考えのもと、他分野・他領域との連携・協働を図り、「日本人にとっても外国人にとっても、豊かで住みよい社会作り」をめざす。
✅ 転機 主婦から日本語教師へ
嶋田さんの人生における最大の転機は、専業主婦から日本語教師へと転身したことでした。結婚を機に家庭に入りましたが、「いつか社会とつながって仕事をしたい」と考え続けていたそうです。そして、読書会や研究会に参加し、カウンセリングの勉強をしながら、「自分が本当にやりたいこと」を探し続けました。
そんなある日、カウンセリングの授業で英語のビデオを見た際に、ふと違和感を覚えました。「同じカウンセリングなのに、英語と日本語ではこんなに雰囲気が違うのはなぜだろう?」——この疑問が嶋田さんの人生を変えるきっかけになったのです。そこから「日本語とは何か?」を深く知りたいと思い、日本語教師養成講座を受講。そして、一気に日本語教育の世界に飛び込んだそうです。
「まさに偶然のように見えて、必然だったんです」
嶋田さんは、転機とは「準備をしながら、チャンスをつかむこと」だと語ります。その言葉には、これまでの努力と決断の重みが詰まっていました。
✅ 心の支え 仲間とともに歩む
日本語教師になったばかりの頃、嶋田さんはまだ経験が浅く、仲間も少なかったそうです。そんな中、日本語学校の責任者という重責を担うことになりました。自分の力だけでは足りない——そう痛感した嶋田さんが見つけた答えが「仲間との学びの共同体を作ること」でした。
「人は一人では生きられない。みんなの力を借りながら、支え合って成長する」
イーストウエスト日本語学校では、俳句会や落語イベントを30年以上続けてきたそうです。それは、ただ日本語を教える場ではなく、文化を共有し、学びを深める場にしたいという思いがあったからでした。そして、そのつながりは「アクラス日本語教育研究所」の設立へと広がりました。
アクラスとはラテン語で「明日へ向かって」という意味です。嶋田さんは震災を機に日本語学校を辞め、新たな挑戦としてアクラスを立ち上げました。そこでは、教師教育の場を提供しながら、仲間同士が支え合い、学び合う環境を作り上げたのです。
「多くの人との出会いが、私をここまで導いてくれました」
その言葉からは、人とのつながりが嶋田さんにとってどれほど大切なものかが伝わってきます。
✅ 幸せ 対話を通じて社会を変える
嶋田さんにとって、幸せとは「仲間とともに社会に貢献できること」だそうです。そして、「対話の重要性」を強く説いています。議論ではなく、対話。つまり、異なる価値観を持つ人同士が、互いを尊重しながら新たな意味を生み出すことが大切だと語ります。
「多文化共生の社会を作るために、日本語教育はもっとできることがある」
嶋田さんが監修した『できる日本語』シリーズは、まさにその理念のもとに作られました。学習者と教師、そして社会全体が「対話」を通じて成長していくことを目指しているのです。
また、嶋田さんが特に大切にしているのは「傾聴と共感」です。相手の言葉をただ聞くだけではなく、心を込めて受け止めること。これは、教育だけでなく、あらゆる人間関係において重要なことだと思います。
「言葉は、人と人をつなげるもの。そして、世界を広げるもの」
嶋田さんの言葉には、言葉そのものへの深い愛情が込められています。
言葉の力 詩 『言葉』より
インタビューの最後に紹介された詩があります。これは嶋田さんの教え子である張立夫さんが書いた『言葉』という詩です。
嶋田さんがイーストウエスト日本語学校を退職する際に、在校生の張立夫さがプレゼントしてくれた特別な詩で、嶋田さんの著書の『外国にルーツを持つ女性たち』に収録されています。(動画中では、嶋田さんと僕で朗読をしています。)
ここに全文をご紹介します。
言葉
「形のない不確実な物」と
現実性は主張する
いえ 形はある
それは先生たちの笑顔
「温度のないただの道具」と
客観性は述べる
いえ 温度はある
それは先生たちからもらったぬくもり
その笑顔で
その温もりで
言葉は思いを伝える
言葉は人を強くする
言葉が人々をつなげる
言葉は世界を広げる
もし言葉に一つないものがあるとしたら
それは距離
どこまでもつながって
どこまでも傍にいる
国境を越え
心の壁も越え
明日へ
夢を叶える明日へ
この詩が表すように、言葉には「つなぐ力」があります。嶋田さんの人生は、言葉を通じて人をつなぎ、社会をより良いものにしようとする歩みそのものです。
✅ まとめ 学び続けることが未来を切り開く
嶋田和子さんの人生は、「学び続けることの大切さ」を教えてくれます。人生の転機は、自分から求めなければ訪れません。しかし、求め続ければ必ず道は開けます。
また、仲間とのつながりがあるからこそ、人は前に進むことができます。そして、対話を大切にすることで、より良い社会を築くことができるのです。
「教えるとは、希望を与えること」
嶋田さんの声を通して、直接言葉を受け取ると、さらに深く心に響くと思います。ピンと来たら、ぜひご視聴ください。
この記事はVoxscriptによってまとめられました。
インタビュアーとしてのあとがき
僕にとって嶋田さんは、現在の僕のあり方、活動に導いてくださった人であり、日本語教師としても、人間的にも尊敬している方です。幸せの四因子のありがとう、やってみよう、なんとかなる、ありのままを見事に体現されているロールモデルでもあり、嶋田さんのご活躍から大きな刺激と勇気をいただいています。
2回目のゲストとして出演していただき、嶋田さんにとって特別な詩を輪読する機会をいただき、最高に嬉しいインタビュー動画となりました。
嶋田さんは僕が開催した2022年のイベントにも参加してくださって、そこからご縁がさらに広がっていきました。まさに、「言葉は、人と人をつなげるもの。そして、世界を広げるもの」を大切にされているからだと思いまし
た。

問い
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