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令和ロマン 沼落ち記録──ジャニオタ10年選手、よしもとに出戻る

本当はもっとホットなうちに書けばよかったんだけど、足したり削ったり色々していたらもう9月になってしまっていた。
気が付けば今年のM-1も始まっているし現場通いも始めて半年経った。

それでもある程度は覚えてるうちに記録に残しておきたいなーと思ったので書きます。わたしは人が何かに落ちていく様子を覗き見するのが好きなので、自分のも残しとくと面白そうだなと思った次第。

これはジャニオタ兼 霜降り明星ゆるオタ(元よしもとオタ)が、コンビ名くらいしか聞いたことなかった令和ロマンをM-1で知り、毎週のように劇場通いするまでほんの数ヶ月で転げ落ちていった過程のメモです。

いざ書いてみたら7000字というわりと大作になってしまったので、暇な人向けです。




0.これまでのオタク遍歴

中学2年の頃、初めてお笑い芸人を好きになった。当時エンタの神様に出まくっていたオリエンタルラジオ。所謂 藤森さんの顔ファンだったと思う。
入りこそ顔だったと思うけど、芸人さんのラジオというものを聞くようになったのはその頃からで、深夜3時から繰り広げられる二人のトークにそれはそれは夢中になった。

一人で本屋でマンスリーよしもとやお笑いポポロを立ち読みする中学時代を送った。そうしているうちに徐々に興味の範囲は広がって、麒麟を好きになった。特に川島さんのことが好きだった。

高校に入り、お笑い熱は一層高まり、ヨシモト∞のリピート放送を録画したり、好きな芸人さんのDVDをなけなしの小遣いで買ったりしていた(当時は単独ライブのDVDを出す芸人さんが結構いた)。
チュートリアルに夢中になったし、ライセンスは憧れだった。

関西在住とはいえ田舎の高校生だったので、劇場に行くという発想に至らず、ずっとテレビやラジオ、雑誌などを追いかけていた気がする。今思えば、本当に好きな芸人さんたちのネタをちゃんと見る機会は少なかったように思う。
大学に入り、すこしずつ現場に入るようになった。通いつめるというほどでもなく、最初は数ヶ月に1回、そこからだんだん増えて月に1-2回くらいといったところ。

ところが20歳ごろでこれまで一切興味がなかったジャニーズアイドルに突如ハマり、時期によりバランスは違うものの ツアー期はジャニオタしながら普段はよしもと、そこから年々ジャニにも推しグループが増えてきてジャニオタ強めになっていった。

コロナ禍で時間ができた頃から芸人さんのラジオを聴く習慣が戻り、複数の番組を聴くようになった。霜降り明星にハマったのも確かその頃からで、ラジオ2本とYouTubeを常に追うようになった。とはいえ霜降りはもう拠点を東京に移していて大阪で見られる機会は少なかったこともあり、劇場通いまでには至らず。
そんな感じのスタンスでいたので、直近ではお笑いの現場は年に1回くらい霜降りが出る寄席に行くのと、毎年恒例ノンスタの単独と、たまたま気になる企画ライブがあれば行くといった感じで全体で年に3、4回くらい。ジャニ現場の方がはるかに数多く足を運んでいた。

またお笑い界隈に出戻るとか、そんなことはこの時点では全く頭になかった。


1.M-1グランプリ2023

00年代の旧M-1は当時めちゃくちゃ真剣に見ていて、リアタイしながら泣いた記憶もある。
けど、新M-1が始まるまでの空白期間にジャニオタ化したこともあって復活後のM-1は決勝は一応リアルタイムで観るかなといった程度。好きな芸人さん達も芸歴を重ね、出場権がなくなるような年次になってきて、新たに若手の人を知るきっかけもなく……という感じ。
ずっと「またM-1に狂いたいから若手勉強したい」という思いはわずかにあった。だからといってマンゲキに通うみたいな行動に移すほどでもなく、ただそう思っているだけ。なのでそうそうビビッとくる出会いはなく、ゆるく見ているだけだった。

2023年のファイナリストが発表されたときは、まあこの中で応援するなら さや香かな、と思ってたと思う。大阪吉本を応援したい気持ちがあったし、ネタも見たことあって面白いのは知ってたし、せやねん(関西ローカル土曜の情報番組)で馴染み深いし。
その時点で令和ロマンがファイナルに残っていることに何らかの感想を持った記憶がない……名前は聞いたことあるけどこんな顔だったか~程度だと思う。ネタも見たことなかった(ごめんね)。

そんなテンションのまま迎えた当日。トップバッターの令和ロマンのネタを見たとき、え、すごい……と思ったことは覚えている。めっちゃ面白い。そして若いのにこんなにも堂々としてる。

あとこれは各方面から反感を買いそうではあることなんだけど、関西人としてどうしても上方漫才至上主義的なところがあった。それでも彼らの漫才を見て、シンプルに「おもろ!」と思った。
1本目のしゃべくり寄りのネタを見て、このネタの感じは好きかも、と感じたのは確かに覚えている。

初めて令和ロマンのネタを見たときの感想ツイート



その後、最終決戦を制し令和ロマンが優勝した。
これまでM-1の結果発表のシーンといえば、優勝したコンビが勢いよくガッツポーズを決めたり、相方と抱き合ったり、涙を流したり。
そういうものだと思っていたのに、令和ロマンの二人は自分たちの優勝が決まっても飄々としていて、どこか他人事のように見えた。

そしてその直後、エンディングで令和ロマンのメガネの人(当時はこれくらいの認識……)が言い放った言葉。

「M-1大好きです!来年も出ます!!」

あっけにとられた。終わってすぐにこんなこと言うやつ、今までにいた? いや昔ノンスタもパンクも連覇狙ったことはある、それは知ってるけど。それにしたってさすがに優勝した次の瞬間からそんなの聞いたことない……と心底衝撃を受けた。
M-1戦士が大好きなわたしは、「優勝した令和ロマン」よりも「優勝直後に連続出場宣言をやってのけた若手」が一気に気になる存在に。

あの場であんなこと言って、引くに引けなくないか? どうなっちゃうんだこの人たちは!?

令和ロマン ミリしら人間の感想


2.M-1優勝のその後

芸人さんのラジオを聞いていると大型賞レースの後は必ずと言っていいほどその話題に触れる。2023年最終週、それはそれはたくさんの感想を耳にした。
そしてネットでもその年のチャンピオンやファイナリストにまつわる色々な記事が出て、そこから色々なことを知った。

令和ロマンがまだ芸歴6年目であること。M-1に向けて4本もネタを準備して状況を見て使い分けていたこと。トップバッターを引いて「盛り上げに徹しよう」と考えてネタ選びをしたこと。
そして何よりワクワクしたのは、そんな戦法をつまびらかに話してしまうところ。

お笑いなんて、いかに考えてないように見せるかだと思っていた。
わたしがオタクしてた頃の芸人さんってこんなに細かく話す人そうそういなかったのに、今はこんなに手の内を明かしすぎる人がいるのかと驚いたし、それでいてその分析内容を共有されても簡単には真似できそうもなくて(わたしは漫才師ではないので真似できるわけがないのだが)、ただ者じゃなさを感じた。

この人、めっちゃM-1戦士やん。
くるまさん、あの時言ってたとおり、本当にめちゃくちゃM-1が好きなんだ……と興奮した。


同時期、気付いたらYouTubeのオススメをめちゃくちゃ令和ロマンに乗っ取られていた。
特に自ら彼らの動画を検索した記憶はないのに、M-1の話題性は本当にすごいと思った。普段から芸人さんのYouTubeを見ていたからかもしれないけど、本当に見事に令和ロマンの二人が写ったサムネがずらずらと並んでいた。本人たちのチャンネルに加えて、過去のネタや先輩芸人とのコラボ動画など。
お笑い好きの人たちがこぞって調べているのであろう、お笑い好きっぽいとAIに見破られていたわたしに、YouTubeのアルゴリズムは親切にたくさんの動画を薦めてくれた。

すぐにオススメに屈したわたしは、年末年始の休みに突入してすぐの頃には何本か動画を見始めていた模様。M−1優勝から二週間足らずの出来事である。

YouTubeの視聴履歴も遡ってみたところ、令和ロマン関連で最初に見たのはウレアカのメンズメイク回らしい。
芸人YouTubeに加えてメイク動画とか美容系も見るから両面から囲われていたのかもしれない。


その後もちょくちょくウレアカを見ながら、間もなくしてofficial令和ロマンにたどり着いた。ちなみに一番最初に「サイコパスクイズ」を見ているらしい。これはさすがに霜降りの影響でもある気がしてきた。。。

▼元ネタ(しもふりチューブ)


そして気が付けばウレアカ令和ロマン回とofficial令和ロマンのチャンネルを見まくっていくようになっていた。
M-1でネタを見たり、チャンピオンへのインタビュー記事などでは正直感じなかった「可愛げ」をビンビン感じ取るようになっていく。

令和ロマン、昔のYouTubeを見てると 二人が霜降り明星のラジオやYouTubeをめっちゃ見聞きしてるんだろうなって様子が見て取れるので、普通に「同じコンテンツのファン」として魅力を感じた部分もある。
同じラジオを聞いてる人とおもろかったとこを共有したり、ノリを真似てゲラゲラ笑ったりって、なかなか現実ではできないから……。


1/7には1/4 OAの「令和ロマンのオールナイトニッポン」を聴いた。
芸人のANNが好きなので、これはチャンピオンの放送回として決まった時点で絶対聴こうと思ってたやつ。
これを聴いて気になるが増したというか、「なんかいいかも」が強まったというか、今の令和ロマンが築いている城の様子をすこし覗き見たような気持ちになった。

2/10 OAの「霜降りバラエティX」も印象に残っている。
これは元々霜降り明星は多少追っていたこともあって時々見ていた番組だったので、令和ロマンとの共演とのことでワクワクしながら見た。
この番組でくるまさんが、NON STYLE石田氏に教わったという漫才フィジカル論の話や、「『お笑い』は芸人だけがいるところでやればいい」(※ニュアンス)的な話をされていて、めちゃくちゃ興味を引かれた。


3.2023年12月24日までの記憶

2023年のM-1決勝直前の時期のわたし、正直お笑い関連は霜降りのラジオとYouTubeを追うくらいで、あまりそこから守備範囲が広がることもなく、ここ数年のM-1も決勝を観るくらいで敗復とかまでは見ていなくて、全然若手に詳しくなかった。
2023年は何となくの気分でめちゃくちゃ久しぶりに敗復から見たけど「コンビ名なら聞いたことあるけどネタ初めて見た」層がかなり多かった。たまーーーにマンゲキに行くから常に出番のあるような大阪若手のコンビ名なら聞いたことあるかな程度で、特に東京拠点の人には疎かった。

思い返せば、わたしが令和ロマンというコンビを認識したのも霜降り明星キッカケではある、と思う。コンビ名くらいはそれ以外でも聞いたことあったかもとは思うけど、認識してる最古の記憶は霜降りのラジオで「東京の後輩」として令和ロマンの名前が出ていたとき、だと思う。

霜降りのラジオだけはその都度(リアタイはできてないものの、後から遡ったんじゃなくて毎週タイムフリーで)聞いていた。その中で何回か聞いたような気がするけど気のせいかもしれないレベル、詳しくはちょっと思い出せない……なぜならこの時点では「名前はよく聞くけど顔がわからないコンビ」だったから。
コンビ名を聞いたとき、検索したりも多分したんだと思うけど当時のわたしの感性ではくるまさんの方が「ケムリ」っぽくてケムリさんの方が「くるま」っぽい見た目だ……となってしまったせいでどっちがどっちなのか全然名前が覚えられずにいた。

それから、M-1のファイナリストが決まったときか何かにもラジオで話題には上がっていたように思う。その時でさえあまり具体的に顔のイメージがつかないまま、「そういう若手がいる」くらいの感覚だった。
どこかの媒体でせいやさんが、くるまさんと最近飲んだみたいな話をしていたような気がする。。。(曖昧な記憶)


▼2023/2/10 O.A. ホグワーツレガシーのCM発表会に令和ロマンと9番街レトロを呼んだ話の回(0:38:00〜0:45:20くらい)


4.配信を買い、現場に足を運ぶ

毎日毎日Twitterに「令和ロマン気になる」的なことを連投していた2月のある日。
R2D2という令和ロマンのトークライブの有料配信が出ているという情報に出会う。昔お笑いファンをしていた頃はライブのオンライン配信なんてなかったけど、コロナ禍を経てかなり多くのライブが配信をしているらしいことを知った。
有料だしな~と思って迷ってたけど、悩んでる間に配信延長してて、これも何かの縁か!ええい!と買う決心をした。元々よしもとのオタクではあったのでFANYにはとっくに会員登録していたこともあり、思い立ったら早かった。

初めて観た2024年2月のR2D2、「くるまさん、ちょっと変で面白かわいい人だな……」とさらに深みにはまる。


その後何気なく調べてみると、関西の劇場にも出まくっていることに気づく。しかも、昔から通い慣れた祇園花月にもしょっちゅう来ているじゃないか。ついに白旗を揚げたわたしは初めての現場チケットを取ることに。

その時点で祇園花月で情報解禁されていたのが、ギャロップとのツーマン。モンスターエンジンのライブ。アキナとのツーマン。
昔にお笑いのオタクをしていた頃からよく知ったメンバーとの共演ばかり。京都までしょっちゅう来ていたことに驚きながらそれら3公演のチケットを取った。

平日ばっかでちょっと悩んだけど、こういうのは思い切りが大事だからね。

3月4月の祇園夜公演

初めての現場まで1ヶ月弱の間は、とにかく過去のYouTubeを見漁りながら過ごした。


そして3月15日、ギャロップとのツーマンで初めて生の令和ロマンを観た直後のツイート

もう令和ロマンのオタクでいいです


完全降伏の瞬間。沼、沼、沼。
恋は恋と自覚した瞬間から加速していくものなのだ……(ガチ恋ではないです)。

ネタおもろい、トーク楽しい、さらにこの日はくるま氏の「セカおじ」の部分も観られて、コーナーも観られて、本当に本当に楽しいライブだった……。
あとはこれまでの興味が結構くるまさんに偏っていたところから、ケムリさんへの関心もどんどん強まりはじめた。

その後、寄席公演含め関西でのライブを調べてはコツコツ劇場に通う日々が始まる。
特に最初のうちは、通えども通えどもやるネタが違っていて、こんなに幅広く色んなネタがあるのか、と衝撃だった。どのネタも面白いし、そもそもこんなに多忙なはずのスケジュールの中で、新しいネタを作ったりネタの内容変えて試したり、いろんなことをしてるんだよなあ。すごすぎる。


5.2024年9月、現状

M-1から9ヶ月、初めての現場から半年が経ちました。気づいたら月5公演くらいは彼らを観るために劇場に通っている計算になっています。こんなに現場漬けになるつもりはなかったのにおかしい。


その他 テレビ露出も薄っすら追いながら、YouTubeが更新されたら見て、後は音声コンテンツ(stand FM ご様子、アースポ UBUGOE)を毎週聴く生活。折角どちらも過去分を遡れるプラットフォームなので遡りたいんだけど、なかなか進まない現状(リアルタイムで更新されていく観たいもの聴きたいものが多すぎる)。


6.おわりに

メディア露出もそれなりに追ってるとはいえ、結局ネタにしろ企画コーナーにしろ生の舞台で観る彼らが一番好きだし、劇場所属から卒業したにも関わらずこのペースで舞台に立ち続ける彼らを尊敬する。

そして劇場でやるネタはめちゃくちゃバリエーションがあって、M-1を覇してなお賞レースに挑み続けるとはこういうことかと、何だか新鮮で感動すらしている(多分それにしたって多すぎるくらいのネタを作っているような気もしている……)。

テレビしか見ていない人からすれば「M-1獲ったわりに全然出てない」になるのかもしれないけど、劇場スケジュールをチェックしている身からすれば、彼らのステージ数はすごいし全国各地を飛び回り移動だらけの毎日で、もちろんわたし達には見えていない撮影なんかのスケジュールもたくさんあるはずで、いくら若いとはいえ体力面が心配になるほど多忙なスケジュール……。

しかし元々お笑いファンしてたとはいえ、正直このペース感で現場に入ることになる未来は全く想像していなかった。
しかもこれを、関西に住んだまま「東京吉本のM-1チャンピオン」に対してできるなんて。どんなに贅沢な世界なんだろうと思っちゃう。

今の時代、何かで気になったらみんなまずはネットで調べるんだろうから、芸人YouTubeって侮れない存在になったってことを実感した。YouTubeキッカケで劇場に通うようになることなんていくらでもあるなと身をもって理解した。


そしてわたしは今日も劇場のスケジュールとにらめっこしている。令和ロマンは関西に来すぎ。(忙しいなか本当にありがとうございます、お身体を大事に、どうか心身ともに健やかでいてね)

M-1グランプリ2024、楽しみにしています


#沼落ちnote #推しの芸人 #エッセイ #お笑い #漫才 #M1グランプリ #令和ロマン


(2024/11/1追記)
その後好きになった素敵じゃないかの沼落ちについても記事を書きました。


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