【ロンドン発】2024年週刊ジャーナル(5月27日~6月2日):今週もいろいろありました&いろいろ聞きました。
5月27日:繊研新聞の記事。ややこしくはないのだが、内容と合っていないという見解か。
イギリスでも、「Vegan Leather(ヴィーガン・レザー)」はよく使われる。先日、とある高級ブラントのコレクション展示会に呼んでいただいて、新作を見せてもらったのだが、スペイン産の質の良い牛革を使用したレザーアイテムに加えて、ヴィーガン・レザー・アイテムもお目見えしていた。何で作られているのかというと、ブドウの皮。スペインはワインの生産国でもあるので、ブドウを大量に消費する。そのカスとなったブドウの皮を再利用してヴィーガン・レザーを生産し、ハンドバッグなどの小物アイテムを製造していた。とても良い考えだと思ったが、このヴィーガン・レザーにレザーに動物の皮を指すレザーは使用されていない。
少し前だが、食品に関しても、「ヴィーガン・チキン・ナゲット」や「ヴィーガン・フィッシュフィンガー」などの表示は廃止するべきだ、という主張をラジオで聞いた。そもそも、「ヴィーガン・チキン・ナゲット」にチキンは入っていないし、「ヴィーガン・フィッシュフィンガー」に魚は入っていないのに、原材料にないものを商品名にするのはおかしいし、誤解を招く、というような内容だったと記憶する。これらの商品名に関しては、もともと「チキン・ナゲット」や「フィッシュフィンガー」が製品として存在していて、その代価物としての商品なので、あえてもともとの名前を使用し、売りやすくするという戦略もあったようだ。
しかし、これも少し前のものだが、『英国におけるヴィーガン食品の表示ルールとは?』という記事を読んで、怖っ!となった。というのも、リード文で、「ヴィーガンという言葉の法的定義がないため、ヴィーガンと表示された食品は動物由来製品を完全に含まない必要はない」と書かれており、「英国のヴィーガン製品の3つに1つに牛乳または卵が含まれていることが判明」!?!?。
記事はこの後、アレルゲンについても述べており、「動物由来のアレルゲンを持つ消費者にとっては、ヴィーガンや植物性食品と表示された製品は、食べても安全という意味と同義になりつつある。これらの製品には、動物由来のアレルゲンを含め、動物由来のものは一切含まれていないことが前提となっている」と書かれている。確かにエシカルな理由もだが、アレルギーの面では、命に係わるため、これは非常に懸念されるべき問題である。
随分昔の話だが、ウチでBBQパーティーをした際、ユダヤ人の家族を一組招待したことがある。ユダヤ人は、豚を食べないので、肉を焼く際に使う網、トング、プレートなどを全部分けて、かなりビビりながら調理した(夫が)。肉が焼きあがって、すべてをテーブルに出すと、その家族が最初に手を出したのはソーセージだった。「ああっ!それポークやわ!」と慌てて叫んだら、いや、ウチら豚食べるしな、と。「えーっ!?あんたユダヤ人やん!?」と言ったら、そこまでreligious やないから、と。マジかよ~!すげーナーバスになって損したわ!と言って、びっくりするやら、ホッとするやらだった。今では彼らとも仲良しなので、もう気を遣うこともなくなったが、この家族、豚は食べるのに、クリスマスにツリーを飾るのは禁止らしい。もうあんたらのクライテリア分からんわ!と笑った。
話がずいぶんそれてしまったが、理由がエシカルであれ、宗教であれ、アレルギーであれ、正しく原材料を表記し、正しいレーベルをするのは、企業として、消費者に対する当たり前の責任だと思う。
5月28日:Ah! ハムステッドで撮影されていたのは、レオ・ウッダルの役がハムステッド・ヒースのパークキーパーだからか!
5月29日:友人夫婦が遊びに来てくれた。
この友人の嫁のほうは、とある芸術の大学講師+審査員をしている。毎年日本にも行って、16歳の生徒をオーディション、才能のある子たちにはイギリスで専門的に学べるように合格通知を出す(もちろんビザのサポートも)。しかし、去年は15人にオファーを出したものの、実際に海を渡ってやってきたのは3人だけだったらしい。日本人学生はInternational student になるので、学費はイギリス人の3倍払わなければならず、そこに円安が重なって、オファーを受けることのできない生徒が増えているらしい。厳しい審査を通り、せっかく国際的に学べる機会が与えられたのに、それを断念しないといけないのは本当に悔しいだろうな。彼女は今年もオーディションのため日本に行くのだが、何人来れるのかしら...と嘆いていた。
5月30日:ああ、ファット・ドックのドラム、ジョニー・ハッチンソンのお父さんは、ロイド・ハッチンソンなのか。英俳優のRafe Spallが、6music のショーで明かした。
5月31日:久しぶりにヨガに行ったら、ご近所さんとバッタリ。子供たちが小さい頃は、お互いの家を行き来して、よく遊ばせていたのだが、学校も学年も微妙に違うし、もう子供たちも自分たちの友達としか遊ばないので、ずいぶんご無沙汰していた。最近どう?という社交辞令的なあいさつから、彼女は、「息子のTは8月からニューヨークの学校に行くことになったの」と言った。ここの息子はウチの次男の1学年上で、近所の私立校に通っていたのだが、9月からシックスフォームに進むにあたって、アメリカに行くことにしたらしい。「もともと大学はアメリカに行きたいと言っていたし、学費にVAT(付加価値税)が課されることになれば、トントンだしね」と。労働党は、1か月後に控えた総選挙で政権を担うことになれば、私立校の学費に20%のVATを課すことを公約に挙げている。ウチも、長男はこの夏卒業なので、何とか免れるが、次男は見事にひっかかる。アメリカの私立校の学費は、イギリスのそれとは比にならないくらい高いので、いやトントンということはないだろ?とは思ったが、一応学校の名前を聞いて、調べてみた。場所は、ニューヨークとはいっても、マンハッタンではなく、12マイルほど離れた住宅地にあった。気になる料金だが、7-Day Boarding(7日間全寮制)で年間$72,000。これに、International studentは健康保険料が約$2,300が加算される。ちなみに、イギリスの場合、例えばHarrow School は、ウェブサイトによると、1タームが£16,850。年間£50,550。これに20%のVATをかけたら£60,660。確かに学費だけ比べると、年間£4000強の差額しかない。ウチは次男をアメリカに送る予定はないので、興味本位で調べてみたが、皆今後のこと考えて、ちゃんと前倒しで計画しているのね、とちょっと焦ったりした一日だった。
6月1日:ハーフターム中の週末だから、コヴェント・ガーデン凄い人!
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夜はRADAへ。
開演前に友人たちとバーで飲んでいると、隣のテーブルにいたご婦人3人から「何を観に来たの?」と訊かれた(RADAでは常時3~4つの演目が上演されている)。Urinetown よ、と答えると、「あら、私たちも!実は彼女の娘さんが出てるのよ!」と。なんでも、娘さんはRADAの3年生(最終学年)で、お母さまとその友人たちは、コーンウォールから卒業制作を観に、泊りがけで来たらしい。お母さまは、「もうナーバスで泣きそう...」と声を震わせていた。グッドラック!と声を掛けて劇場へ。ミュージカルだったのでオーケストラも入り、素晴らしいショーだった。最後に、演者たちが全員揃ってステージに立った時、一人でスタンディング・オベーションをしていたご婦人がいて(先のご婦人とは違う方)、ああ、この人も親なんだろうなあ、と思っていたのだけど、終演後トイレでそのご婦人に会ったので、お子さんですか?と訊いたら、「(主役の)Hope は私の娘なの!!」と。彼女、ファンタスティックだったわ。Congratulations!と言ったら、Thank You! と誇りに満ちた表情を見せた。
いやね、好きなことが出来るようになれば、親はいつだって誇りよ、なんてことを、この(↓)動画を見ながら思ったりしてさ。これは先週私たちも観戦した、ラグビー・チャンピオンシップ決勝戦で、優勝したあと、アントアンが両親のところに駆け寄っていった動画。お母さん、泣きながら抱きしめてるじゃん...(もらい泣き)。
6月2日:えっ!?マジ?田島貴男が?オリジナル・ラヴが宮崎に!?えっ!?帰るべき?宮崎よ!?っていうか、ロンドン来てくれ~!!
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今週の1曲:Everything Everything - Photoshop Handsome
Radio1 のBig Weekend に出てたのを見て、久しぶりにライブに行きたいと思ったのよ。最後に行ったの10年くらい前かも。
(今週終わり)