“革新”〜何を選び、どう生きるか〜第17回居酒屋甲子園レポート@福岡サンパレス
株式会社ダイニーが協賛させていただいている、第17回居酒屋甲子園の全国大会が2024年10月22日(火)に福岡サンパレスで開催されましたので、その様子をレポートさせていただきます。今年は全国大会出場店舗5店舗のうち、「渋DRA」、「学生が週2で通える焼鳥屋 乾杯居酒屋アホウどり 聖護院店」でダイニーモバイルオーダーを活用いただいているということもあり、弊社メンバーも期待と緊張感を胸に応援に駆けつけました。
居酒屋甲子園とは
理念「共に学び、共に成長し、共に勝つ」
目的「居酒屋から日本を、世界を元気にする」
居酒屋甲子園とは、“居酒屋から日本を、世界を元気にする”という想いを持つ全国の同志により開催された、外食業界で働く人がより誇りを抱き、学びを共有しあえる場を提供するための大会です。全国からエントリーされた居酒屋のうち、独自の選考基準で選ばれた優秀店舗(5店舗)が、年1回、約5000人が来場する全国大会に集結します。ステージ上で自店の取組みや想いを発表し、来場者の投票により居酒屋甲子園における日本一の店舗を決定。外食業界で働いている人が志と誇りを持てる大会にすることを目指しています。
(居酒屋甲子園 HP:https://izako.org/)
居酒屋甲子園は2006年に設立され、今年で第17回目を迎えました。今大会は、自由かつ変化する社会の中で「何を選び、どう生きるか」を問い、新たな一歩を踏み出すことを目的に「革新」をテーマに開催されました。
居酒屋甲子園、全国大会出場までの流れ
居酒屋の日本一を決める流れとしては、覆面調査3回、地区大会でのプレゼンテーション、最終審査の面談により全国大会に出場する5店舗が決まり、全国大会当日の18分のプレゼンテーション、会場参加者による投票で日本一が決定されます。
第17回居酒屋甲子園は、全国で1,420店舗がエントリーし、65店舗が地区大会に出場。以下5店舗が福岡の全国大会に登壇しました。
関東第一地区「ろばた翔」株式会社國屋
関西第二地区「学生が週2で通える焼鳥屋 乾杯酒場アホウどり 聖護院店」株式会社アホウプロジェクト
関東第一地区「渋DRA」株式会社DREAM ON
北海道地区「港町酒場もんきち商店桑園店」株式会社ラフダイニング
北陸甲信越地区「やきとり番長 松本つなぐ横丁店」番長株式会社
第17回大会、優秀店舗5店舗のプレゼンテーションまとめ
優秀店舗として登壇された5店舗の発表についてご紹介させていただきます。
「ろばた翔」〜「共に生きるよろこび」属人性を強みに変える究極の個店経営〜
お客さま、スタッフ、生産者さま、関わるすべての大切な人を家族として大切にする経営で、顧客満足度を下げずに客単価・売上アップ、採用に成功された取り組みを発表されました。
取り組み
プロダクトライフサイクル:企業フェーズに合わせた取り組みを実施
導入期:“一人桃色接客”でお客さまやその時の状況に合わせた属人性の高い接客を実施。ファン、常連客を増やすことを重視。
成長期:顧客満足度の向上を目指す。全国行脚で生産者に会い、スタッフが自信と愛を持ってこだわりを伝えられる状況を生み出す。お客さま同士のつながりやスタッフとの対話を重視し、スタッフとお客さまが乾杯する“労い乾杯”の文化を根付かせる。
成熟期:人件費高騰への対応、さらなるブランドの確立に向け、コト(体験価値)の提供を強化し客単価アップへ。おすすめメニューやマル秘メニュー、〆メニューをそれぞれ別に用意してご案内。全国行脚を強化して1商品1生産者を実現し、商品力の向上を図る。
コンセプトシートの作成:何のために誰に何を届けるのか、会社の在り方とやり方を可視化
一本釣り採用:スタッフからお客さまに直接声をかけ、“ありがとうプレート”の提供などで想いを伝えて採用する“一本釣り採用”の実施
結果
客単価が3,500円から7,000円にアップ
最高月商1,800万円を達成
株式会社國屋 代表取締役 國利さまの想い
お客さまの支持を得て売上は上がるも、働く仲間の状態に気付けず、スタッフがボロボロだった時期があった。「このままじゃ大切な人を守れない。」そう思い弱い自分を変えたことが大きな転換になった。
大切なものを考えた時に浮かんだのは、仲間、業社さま、関わってきた人たちだった。お客さま、スタッフ、業者さまなど、“お互いに諦めない人”を家族と呼び、これからも大切にし続けたい。
「学生が週2で通える焼鳥屋 乾杯酒場アホウどり 聖護院店」〜理念共感から理念共鳴へ!「伝える」ではなく「伝わる」人材育成術〜
代表泉川さまが“笑いで世界が変わる”と確信したのは、ご自身の結婚式がキャンセルになり、参加予定だった友人たちに「結婚式告別式」を開いてもらった日。そんな告別式の再現VTRをスタートに、お店での出会いや経験を通してチャレンジする人、応援される人(アホ人)を増やすお店を確立するための人材育成術について発表されました。
取り組み
学生が多いマーケットに合わせてリブランディングをし学生が週2で通える焼鳥屋に変更。リーズナブルでパンチのある商品を提供し、「アホになって楽しんでください!」とアホウ接客を実施。
ストーリーを重視した接客研修
ストーリーテリングを使って、お客さまを主人公にした物語形式で理想の店内接客を伝授。お客さまに「伝わる」ための、在り方とやり方をセットで伝える。
理念共鳴を重視した採用
紙芝居面接により、働く意味や挑戦したい気持ちを自分ごと化してもらえるように説明。理念共感を重視した面接を実施。
オリエンテーションでは何のために働くのかを落とし込み、自分がどうなることがゴールになるかを一緒に考える時間を創出。夢の達成率を上げ、「自分のために」が「人のために、社会のために」に変わっていく段階を踏むことを重視。
営業中に大事にすることを「アホ人十一箇条」にして実施を徹底(入社時に説明 + 毎日の朝礼で実施)
株式会社アホウプロジェクト 代表取締役 泉川さまの想い
『大切なのは打率よりも打席数。行動しない「かしこ」より、行動できる「アホ」になろう。』そう伝えている。アホは優しくて強い。挑戦したからこそ湧き上がってくる心の声があり、その先に見えてくるものがある。理念に共鳴してくれた仲間たちとともに、これからも「アホ人」を拡げ、世界を笑いで幸せにしていきたい。
「渋DRA」〜人を輝かせるDREAM ON流・デジタル活用術〜
コロナや時代の変化によってデジタル化が進む中、変化に適応しつつどうやって人を輝かせることができるのか、DREAM ON流のデジタル活用術を紹介されました。
取り組み
ダイニーモバイルオーダーの活用
スタッフの自己紹介を画面に挿入、出身地などを記入し、お客さまとの対話を創出。
投げ銭機能「推しエール」の活用で、スタッフのモチベーションを向上。お客さまから送られた「推しエール」金額をDREAM ON店舗で使える食事券「ドラカ」にしてスタッフに還元。
モバイルオーダーを活用しつつも、手打ちのオーダー率は50%をキープ。常にお客さまを見て意識することを徹底。
布おしぼりから紙おしぼりに変更。紙おしぼりの袋に手書きメッセージを書いてお客さまとの会話を増やし、満足度向上に。
テーブル調理をするメニューや、お客様とゲームができるメニューを作成
社内勉強会を、現地開催からYouTube動画に変更
タイミーを活用しつつ、名札のお渡しや事前のオペレーションの落とし込みを徹底
社内コミュニケーションツールを使い、感謝の気持ちを伝え合う文化を醸成
研修やサークル、カラオケ大会、社員旅行、表彰式など、アナログで集まるイベントを絶やさず実施
結果
モバイルオーダーと手打ちオーダーの両立により、接客サービスを下げずに業務効率化を実現。テーブル調理やゲームメニューの創出につながり、お客さまが動画をSNSに投稿する機会が増えた。
「推しエール」と「ドラカ」の活用で、スタッフのモチベーションとサービス力が向上。
YouTube動画視聴率が社内勉強会の参加率を超え、スタッフ教育が円滑に。
デジタルとアナログの両立で、どの世代も楽しく巻き込みながら、夢にチャレンジし、応援するチーム作りができた。
「渋DRA」店長さまの想い
自分にはずっと夢がなかった。そんな時、代表取締役の赤塚さんに「夢がないことは悪いことじゃない。夢がある人の応援をすることから始めたらいいんだよ。」と言われて救われた。これからもDREAM ONで働きながら、人の夢を全力で応援できる人でありたい。
「港町酒場もんきち商店桑園店」〜1次・2次・3次産業を一気通貫!飲食業界の多様性を感じさせるビジネスモデル〜
「いつもあなたの笑顔のそばに」という理念を軸に、全世代が生涯に渡って豊かな食を楽しめるよう、水産現場における1次・2次・3次産業を一気通貫で行う取り組みを発表されました。事業の多角化で働き方も多様になり、国籍や年代の垣根を超えたワークスタイルの創出にも成功されています。
取り組み
魚の買付、出荷、加工、卸売、鮮魚店販売、飲食店営業を一気通貫で実施
「走る鮮魚店」で新鮮な魚を各地で提供。
飲食店は各業態ごとに「魚屋がやる〇〇店」と強みを生かしたブランディングを行う。
モバイルオーダーに魚の情報を記載し、魚の魅力やこだわりを伝える。
ウニ養殖プロジェクトで生産事業にも参入。
インターン生を採用し、食育×観光の体験型食育事業を行う。
結果
飲食店の売上は2019年対比1.56倍で、20坪で月商2,200万円を出す店舗を創出
ワークシーンの多様化により、採用応募者が急増
札幌市から、SDGs総合賞を受賞
株式会社ラフダイニング 代表取締役大坪さまの想い
「いつもあなたの笑顔のそばに」を掲げ、こんなのがあったらいいなを実現するために事業を拡大してきた。どれだけ未来の希望になれるか。「未来にツナグ」という志をパートナーと共有し、飲食の枠を超えて挑戦している。ただ、どれだけ年月が経っても、いつも通りに仲間と居酒屋にいる時が、大好きで幸せでたまらない。境界線を壊し、食を通じて幸せを未来に届けられるよう、自分たちで自分たちの未来を創っていきたい。
「やきとり番長 松本つなぐ横丁店」〜人時売上高1万円超え!来るべき時給3000円時代に向けて〜
人件費が高騰し続ける中で、働き方改革と人材育成により、サービスの質を下げずに人時売上高を上げることができた再現性のある仕組みづくりについて紹介されました。
取り組み
働き方改革と人材育成
仕事のレベルチェックのために、できるんだもんシートを作成。5段階評価で自己評価と社内評価を実施し成長を可視化。
2H1Hルールを設け、仕込みを2時間、閉店後の片付けを1時間で終わらせる体制を確立。
社内共有アプリで目標設定を営業前に徹底しながら、褒める文化を情勢。
アルバイト評価制度の導入。
メニュー構成、仕込み工程の見直し
大幅なレイアウトチェンジで導線を見直し
国内外に向けて文化を発信
結果
サービスの質を下げることなく人時売上1.2万円を実現
番長株式会社 代表取締役 小林さまの想い
この先時給が上がっても、人を雇い良いサービスを届けられるように仕組みづくりをしてきた。お店がある横丁は、若者や観光客が集まり文化を発信できる場所になった。信州上田のご当地グルメ「美味(おい)だれ焼き鳥」は文化庁に100年フードとしても認定されている。大切な仲間と共に、これからも国内外に文化発信をしていきたい。
3,000人の投票で選ばれた日本一の居酒屋は?優勝店舗発表
来場者3,000人の投票にて選ばれた日本一の居酒屋は、「学生が週2で通える焼鳥屋 乾杯酒場アホウどり 聖護院店」でした!
挑戦したいけどなかなか一歩が踏み出せない。人の成長や挑戦を後押ししたいけどどう伝えたら良いかわからない。学生から経営者まで多くの人が直面する悩みに対して、ユーモアと感動を交えた映像・演出とともに、再現性ある取り組みと考え方を共有された印象的なプレゼンテーションでした。
終わりに〜氏田理事長の言葉〜
最後に、第16回・17回大会の理事長に就任された氏田さまのスピーチの一部をご紹介させていただきます。
私たち株式会社ダイニーとしても、志に生きる飲食店の皆さまとともに日本を、世界を元気にするために、飲食店さまの理念や在り方に寄り添いながら、新しい手段や基盤を提供し、ともに歩んでいきたいという覚悟と志を改めて心に宿すことができました。
小原あとがき
入社直後で何もわからぬまま参加し、「飲食という志事は本当にかっこいい!」とただただ衝撃と感動を覚えた第16回から1年、過程の決起会やサポート会の参加も含め、また昨年とは違った気持ちで参加させていただきました。
皆さんが、どういった気持ちで居酒屋甲子園に参加していらっしゃるのだろうと考える中で感じたことは、「主体性を持って関わり、違いを共有することに意味がある」ということでした。自ら輪の中に入り挑戦することで、他店舗・他人が身近になり、何のために出場するのか、何のために飲食店をしているのか、働いているのか、今必要な学びは何か、それぞれが自分の心に響きやすくなるのだろうと、勝手ながらに感じていました。大会当日までの過程も含めて、気づきと学びなんだと思います。
時代の変化、SNSの普及によって、表現する、突き抜けることのリスクも出るし、生きる上でそこまでやる必要もなくなる。そんな中で、こんなにも多くの人が関わりあって、伝え合うことで、なにか気づきが得られるのだろうと感じています。
違いがあって良い、綺麗じゃなくてもいい、だから伝え合おう、気づき合おう。こんなにも多くの人の人生に影響を与えられる居酒屋甲子園の魅力と意義に、改めて感銘を受けた1日でした。
このような素晴らしい大会に関わらせていただき、誠にありがとうございました!
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株式会社ダイニーは、「 “飲食”をもっと楽しくおもしろく。」をミッションに掲げ、すべての人の飲食のインフラとなることを目指し、飲食業界に特化したモバイルオーダーやPOSレジを中心としたサービスを開発・提供しています。飲食店運営の基盤となり、飲食に関わる人の魅力や価値が最大限に発揮されますよう、サポートさせていただきます。
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