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ズルい女

別れても…正しくはフラれても(捨てられても)、私が1番愛されていたと図々しくも思えるのは、ちゃんと理由がある。

それは、あの人が選んだ相手は同情と援助での繋がりから始まっているから。

夫との不仲、時々のDV。
SNSの掲示板で知り合い、そこからブログで友達になり、いろいろと相談を持ち掛けていたらしい。
時折、「今すぐ来て!」とか「助けに来て!」と夜中にメッセージまで。

そして、ついに離婚してシングルマザーに。
子どもは3人いたらしいけれど、1人は夫側に。
収入も十分ではなく、体調もメンタルも弱く生活も苦しかったのは想像出来る。

『お金がなくて食べ物が買えない。』そんなことを、SNSで呟いてもいたらしい。
見かねて母子を何度も食事に連れていったり、食べ物や日用品や生活用品、子どもが欲しがっていたものを買ってあげたりしていたあの人。

友人として付き合いも長いし、何かと言うと

『死にたい。』

と言う、キラーワードを口にするので、放っておけなかったのだと思う。

そう言う事情はあの人から聞いていた。
だけど、私は気付いていた。
彼女はずっと前から、あの人のことを好きで、ブログのコメントで親密さを匂わせ、他のフォロワーさんたちにマウントをとっていることを。

そして、夫に見切りをつけ次の夫として、あの人を狙っていたことを。

あの人は、追われて迫られる恋よりも、自分の気持ちが燃え上がり恋い焦がれ、自ら相手を追い、相手の悦ぶことを自ら行う恋が好き。

『私、辛いの。』『あなたがいないとダメなの。』
『死にたい。』『もう生きていけない。』
そう言ってまとわりつく、悲劇のヒロイン女にはトキメカナイ。

一度あの人は言った。
『恋愛感情は持てないし、正直困っているけれど、無視して死んでしまったりしたら、寝覚めが悪いし、一生その事を後悔するから怖いんだ。』と。

あの人は、そのヒトと一緒になったけれど、幸せになるための選択ではないと思う。
罪悪感と恨みから逃げるための選択なのだと…


寝覚めの悪さとヒトを死なせてしまったという恐怖と罪悪感からは解放されたけれど、あの人はこの先の長い人生を、愛情を感じることなく虚しく淡々と生きて行くのだろう。

同情と愛情は背中合わせ。
同じ方向を見ることはない。

だから、いつまで一緒にいても愛は生まれない…
それでも、手に入れたかったあの人を自分の夫にできたという事で満足しているのだから、あのヒト(女)は幸せなんだと思う。

悔しいけれど…


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