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「好き」を綴る365日、35日目。

母がこしらえるばら寿司が好きです。

わたしの実家では、「お寿司」と言えばこのばら寿司を指します。
にぎり寿司は、あくまで「にぎり寿司」。

わたしが「お寿司」を好きになったのは、ここ近年のことです。
子どもの頃は「お寿司」が苦手で・・・
というのも、シイタケが嫌いだったから。
「お寿司」には干しシイタケが用いられるので
風味がとにかくシイタケ感に満ち溢れておりましてね。
シイタケの見た目も苦手だったので、「お寿司」のことは敬遠していました。

しかし、酸っぱいものは大好き!
「酢飯」は大好物だったので、具材を混ぜる前にわたしの分だけ酢飯を取り置きしてもらうのが常でした。
今思えば、なんというフトドキモノ・・・
母の味を敬遠し、しかも、栄養価がほとんど感じられない酢飯だけを食べていただなんて。

40代後半になり。
「お寿司」を好んで食べるように。
わたしも大人になったってことですね、ようやく(笑)

毎回、たくさん入っている具材にホクホクしながらいただきます。
今日は職場へお弁当として持参、何が入っているかな?と書き出してみました。
エビ、栗、絹さやえんどう、シイタケ、ニンジン(今回ニンジンがえらく細かくなっていたのはナゼだろう?)、かまぼこ、油揚げ、ゴボウ、錦糸卵。
・・・具だくさん! 贅沢だー!
「ありがとう」と手を合わせて、いただきました。

この「お寿司」、亡き父の大好物でして。
父の誕生日など、父にとって大切な日には必ずと言っていいほど母がこしらえていました。
闘病中、食事がなかなか喉をとおらなかった父でしたが、「お寿司」だけは別格。
ペロリと平らげていたのだから、母の愛の賜物ですね。
父は自分の好みを叶えてくれる母のことを「最高の妻だ」と言ってはばかりませんでした。
母も妻冥利に尽きたのでしょう、今でもこのエピソードを嬉しそうに語ります。

さて、「お寿司」。
これはわたしがレシピを引き継いでおかねばならないのでは?!と、最近富に思います。
誰のためでもなく、自分自身のために。



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