No.11💛9日間の入院生活①💛 ~両親への気持ち~
入院翌日は特に発作もなく落ち着いていましたが、一番驚いたのは杖歩行ができなくなっていたことです。両脚が鉛のように重たく、自分の脚ではないみたいで、パーキンソニズムが進んですり足歩行になっていました。お手洗いへ行くときもシャワーを浴びるときも、必ずナースコールを押して、点滴棒に掴まりながら、看護師さんに腰を支えてもらう状態に、とてもショックを受けました。このままでは自宅へ帰れない。
病棟担当の医師から「今回の主訴である胃腸炎やDLBでリハビリ専門病院へ転院することは難しいです。今週末まで当院でリハビリしてから一度退院してもらう形になります。今の状態が一時的なもので、またここから少し良くなって杖歩行になれるのか、この状態のままなのかは分かりません。ただDLBは進行性の病気であり、身体機能は低下していくので、いずれにせよ自宅では手摺りとか必要になってくるでしょう。今後は退院支援看護師を通じて、メディカルソーシャルワーカー、ケアマネージャーに入ってもらい対策を考えて下さい。」という説明を受けました。仕方のないことだとは思いましたが、突き放されたような感覚に陥り、とても悲しくなりました。
その日の夜、私は両親へメッセージを送りました。
「昨日のような痙攣発作がまたいつ起こるか分からない状態なので、両親
だけで私の病気を抱え込んでほしくない。何かあっても助けてもらえる
ように、親戚とかには話してもいいんじゃないかなと思っています。
母がまだ病気を受け容れられていないことは知っているから、話すこと
に抵抗があるかもしれないけど、皆に話しておけば、誰かしら私のこと
で辛くなった時に相談できたり、愚痴ったりできると思うの。そうする
ことで少しは母の負担も減らせるのではないかと思っています。入院中
の今、なかなか回復しない身体をみて、私がこれ以上どうにかならない
うちに手を打たないと、両親が倒れてしまう。私はそれが一番心配なこ
とだし、何よりも一番望んでいないことなの。だから考えてください。
よろしくお願いします。」
父から、返事が届きました。
「病気や親のこと、そして今後のことを考えれば考えるほど不安になるよ
ね。mamiさんの気持ちはちゃんと伝わりました。でもね、いくら考え
てもなるようにしかならないから。。。だから余計な事は考えなくて
大丈夫だから。くよくよしないで、早く帰ってきてね。
大事な大事な娘なんだから。」
入院して3日間は休養優先で、ほとんどをベッド上で過ごしました。
同室の患者さんの嬉しそうな話し声が聞こえてきました。「完治したので明日退院です。」
「完治」。私の病気、若年性DLBに完治はない。
どんどん進行していく私。それでもまだやりたいことは沢山ある。
私は負けない。諦めない。
優しくて温かい家族のもとへ、私は帰る。