反出生主義

生まれながらにして、母親に完全同化することを求められた人間は、自分の人生を持つことができなくなる。いま、私はやっと空っぽの自分を発見したところなのだけど、同じ家に住んでいる妹と母を見ていると、気持ち悪くて吐き気がする。妹も引きこもりなのだが、起きてから寝るまでずっと母親とベタベタしている。自分がテレビで見た面白かったことを、母に報告している。ふつうの人にとっては気持ち悪いとか分からないかもしれない。その行為自体はコミュニケーションとしてよくあることなのかもしれない。でも、妹の全身から発されているのは、「わたしを受け入れて」だ。そして母はそれに気づくこともなく、表面的な会話をして、永遠に子共の人生を奪ったまま、子のいのちを消費する。子供の命を、食べている。貪り尽くす。命を食べられた空っぽの子供は、飢餓感をどうすることもできなくて、お菓子の過食に走る。甘いものを過食すると、自律神経がおかしくなって鬱になるし、生活パターンがずれるんだって。実質殺してるやん、それもう。

どうして生まれてきたんだろう。死にたい。中学の時からずっと思っていた。私には生きる理由がなかった。中2の時に一番鬱がひどくなって、教室にいると、いつも神経がえげつなくびりびりした。若い命たちが精一杯、生を謳歌しているなかで、わたしの神経はいつも全力で後ろ暗い絶望と死にむかってアンテナを張り巡らせていた。いつも、空中に舞うチョークの粉が気持ち悪くて、吸うと肺を侵される、という妄念に取り憑かれていた。息をしたくない。ここにいたくない。変な汗をかいていた。生きることの恐怖と不安で、今にもキ●ガイになって叫び出しそうだった。その時いつもわたしは、「生きているのが図々しい」と感じていた。それは今もあって、だからわたしは、生きようとしている人全員を気持ち悪いと思った。希望を、光を、健康を、暖かさを、明るさを、仲良しごっこしてる人たちを、みんなバキバキに折ってから焼き払いたい。太陽が登るまえに、この世界に暗幕を引いて真っ暗にしたい。絶望が足りないよ。みんなもっと絶望しろよ。なんでわたしだけこんな絶望しなきゃならないの?ずるいよ。わたしだって「えっ? 死にたいとか、思ったことないんだけど〜うける〜」とかいって、夏の公園の芝生に足を投げ出してジェラートを食べていたかった。

「なんで生まれてきたの?」って、ずっと心で泣きながら思っている。わたしの母は、すごい冷え性で子供ができにくい体質だったそうだ。当たり前だ、お前の子宮はすでに死んでんだからよ。両親からネグレクトされ、四人兄弟の末っ子だった母は、自分以外全員男の兄弟から、いじめられて生きてきた。気づいたときには、「わたしみたいな人間、生きてても仕方がない」と思っていたそうだ。頼むからそのまま死んでくれ。わたしは最近、ずっとそう思ってる。負の連鎖でしかない。母は頭がお花畑のどうしようもないクズ女だ。わたしが自分のお腹の底にある”死”に直面するたび、これは、母が感じきることのできなかったばかりに受け継いだ、負の遺産なのだと思い知る。そしてわたしはそれを受け止めることができず、母に怒り狂いながら「自殺すればよかったのに」と強く思う。母が自殺していれば、わたしは生まれなかったのに。

皮肉なことに、母は、彼女の持つすべての飢餓感を持ってして“努力”し、医者にさじを投げられたにもかかわらず、自然療法で体質を改善し、7年後、わたしという子供を授かった。負の連鎖でしかないのに。「人より劣っている私でも、家庭を持ち、子供を産めば人並みに幸せになれると思った」。あ〜。そのパティエーンか。家族に夢見ちゃうタイプ? 笑っちゃうわ。モラハラでパチンカスの旦那とで作る幸せな家庭?? 頭がお花畑のお母さん、土台がダメな人間はね、何をやってもダメなんだよ。自己認識が足りない。脳みそも飢餓感でいっぱいだったの? 希望にすがる人、みんな、みっともないよ。ダサいよ。諦めて死のうよ。それでも生きようとすることのダサさ。もう死んだような目をしているのに、生きている限り、じぶんの生を握りしめて離せないことの理不尽さ。はやく死ね、諦めてもう死のうよー、みんな。お前がな。

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