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12月3日(金)#日記 ギャラリー・アートグラフさんへお邪魔した。
昨日は名古屋・一社にあるギャラリー、アートグラフさんへお邪魔した。
私は銅版画を行っているが、この銅版画という技法、東欧では大変盛んである、というイメージだ。英仏でも長い歴史がある。
こちらアートグラフさんでは、日本の作家に加え、こうした欧州の作家の作品を広く紹介されている。
特に私が心惹かれるのは、フランスの銅版画家、フィリップ・モーリッツ(Philippe MOHLITZ、1941.3.7-2019.3.14、享年78歳)である。ビュランで細かく刻まれた線は力強く、そのテーマは深くそして示唆に富んでいる。モーリッツは、ここアートグラフさんで現物を初めてみた。
平成元年から30年以上にわたり画廊を営まれていたが、この度12月中旬で閉廊される、という記事を「版画藝術」誌最新刊で読んだ。私は名古屋に住んでいれば、いつでもお邪魔できる、と高をくくっていたのだが、そしてなかなか手元不如意で作品購入に至らなかったのであるが、もはやそんなことは言っていられない。
ということで昨日お邪魔したのだ。一社という駅、たぶん初めて降りたのだが、なかなか繁栄した地区である。私が普段住んでいる地区とはだいぶ雰囲気が違う。なんだか文化の香りがする。
こちら一社の店には初めて行く。既に閉廊に向けての準備を進めていらっしゃるようすが見えた。
一枚の、たぶん東欧の作家の蔵書票を買い求めた。日本のこの風土ではなかなか出てこない肌触りが貴重である。やはり花は、植えられた土壌によりいくばくかの変化を持つのだ。
30年以上画廊を営まれる、という日々に想いを馳せる。商売であれば、楽なことばかりではないであろう。だが、好きな作品に囲まれ、その魅力を語る、という日々は、いわは「酒と薔薇の日々」の一種だとも思えるのだ。
版画を愛し、すばらしい作品を世界に発信する、ということをなさっていたのだと思う。
本当にご苦労様でした。
(おまけにすこし割引していただきました。感謝しかありません。。)
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