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雑感。山はタイムマシン!?
最近妙なことに図書館に通うようになりました。僕にとってはコロナがもたらしてくれた新しいライフスタイルかもしません。
今回手にしたのは、「槍ヶ岳開山 新田次郎作」。
実はこの本、今回が2回目。1回目は約6年前に手に取り読んだ記憶があります。そしてその後実際に作中の場所へ行ってみたくて、実際に槍ヶ岳へ行ったのでした。
今まで物語と実際の登山を重ねて歩いたことは無かったのですが、この時はその面白さにすごく取りつかれた気がします。
作中に念仏行者、播隆上人が槍ヶ岳を開山すべくアタックを仕掛ける際に今でいうベースキャンプにした岩小屋が実際に存在したことも、ブロッケン現象と言われる「如来さまの迎合」を拝んだことも、フィクションとリアルが交錯した不思議な感覚を味わった出来事でした。
翌朝、山頂に向けて歩みを進め、いくつかの梯子や鎖を超えていった先にそれほど広くはないものの、いわゆる「槍の穂先」があり我々も山頂に到達しました。
ほぼ無風で10月ころとは思えない穏やかな気候、誰もいない山頂。槍から穂高や四方に延びる尾根道。これまでも幾たび山にも登ってみましたが、この時はいつもとはちょっと違った心地さを感じていました。
山につけられた道ををぼ~っと眺めながら思ったこと。
人々は短い人生を歩んで世代を変えていくが、山は悠久の時をそこまで形を変えずにそこにあり続けるわけですよね。
ということは、ここに続く道は、何百年も前の人たちが同じところを歩き、今自分が歩き、そしてこの先何百年後の人もきっと歩く…。ここに立って同じ景色を見る。播隆上人も初めてこの山に立ったとき、きっとこの景色を見ただろうし、我々の子孫もきっと見る。
そんなことを感じた時、山ってなんだかタイムマシーンみたいだなと思ったんです。過去や未来と繋がるというか、重なるというか。
山の景色と時間軸を重ねながら楽しむ登山も、たまにはいいもんですよ。
山を題材にした物語から、そんなことを教わりました。
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