酒と花の安息|日々の雑記#57
金曜日、仕事を終えたら、花とおつまみ、それに甘味を買って帰ります。最寄りの、ひとつ手前の駅は、お店が充実しているので途中下車。駅ナカや商店街で買い物をしてから家路につきます。
花は決まったお店で一輪だけ、器に生けた姿を想像して選びます。なかなか思う様にはいきませんが、それがまた楽しいもの。おつまみと甘味はその時々の気分に合わせ、色々なお店をのぞきます。
そんな隣駅からアパートまでは徒歩で約30分。バスも出ていますが、のんびり歩くのに丁度いい距離です。今の季節は汗もかくし喉も渇きますが、冷蔵庫で待っているビールのことを思えば、少しも苦になりません。
途中、大きな川があるので、寄り道して土手沿いを歩きます。遠くに沈む夕日を眺めたり、川面からの風に吹かれるのも、なかなか気持ちのいいものです。
片手に花を持ち、買い物袋をブラブラさせて帰る道すがらは、何だか自分がよい人間になった気がするのです。
こうして一週間が終わり、花を眺め、酒を呑み、甘味を食べれば、何をした訳ではなくても、報われた気持ちになれるのです。
なんて書くとまるで品の良い、落ち着いた暮らし振りのよう。だけどやっていることと言えば酒を呑みながらの花より団子。桜の下の乱痴気騒ぎと、そう変わりません。
そもそも、スマホに出てくる広告が無料コミックばかり。それも「異世界転生モノ」や「TL系(含むエロ)」なあたり、現実から逃避する、普段の生活を察して頂けると思います。
だからでしょうか、昔から「よい人間」に憧れるのです。
何ですかね、この感覚は。
別にそれほど悪い人では無いと思いますが、そうは言っても、自分のことを「よい人間」とも思えないのです。どこかしらお酒に罪悪感を持っていて、他のもので帳尻を合わせているとでも言いますか。
あ、もしかしたら、昭和のお父さんたちが折詰をお土産にする、この感覚に近いかもしれません。ご機嫌な気分と、それを分かち合いたい気持ち、そこに若干の気まずさが入り混じった結果が、私の場合は、花や甘味になっているのだと思います。
切り取り方ひとつで物事は如何様にも変わります。丁寧を装った酒とバラの日々。昔、そんなタイトルの映画がありましたが、私の場合はどんな結末が待っているのでしょう。
ハッピーエンドの大団円はさすがに都合が良すぎ、プラマイゼロくらいの、悪くない程度を希望します。
【追記】
夏ピリカで頂いたサポートで、花を買いました。セルリア、花言葉は「可憐な心」。酔っ払ってどこかに落とした心が見つかるよう、 今日もnoteの街をうろつきます。
あらためて、ピリカさん並びに関係者の皆さまにお礼申し上げます。多謝。
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