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捧げよ空腹|日々の雑記

バランスの良い食生活は大切と思いますが、こうも暑いと支度から億劫です。さらには日々の忙しさと相まって、料理のやる気スイッチが、背中の手が届かないところへいってしまいました。

自分じゃどうにもできませんから、無理はいたしません。孫の手を借りるように、スーパーのお惣菜やコンビニ弁当、レトルト食品にお世話になっています。その中で、ふと気になったことがあるんです。

食事って、おかずがあって当たり前になっていますよね。

いえ、別におかずを批判したい訳ではないんです。けれど、主食の立ち位置があやふやに思えて仕方ありません。世の中には炭水化物を抜く人もいますから、メインのおかず、いわゆる主菜が幅を利かせて、主食を尊ぶ感覚が薄まっている気がしませんか。食べる順番もまずはおかずで口の中に味をつけ、お米で回収していく感じな訳で、添えもの的と言ったらいいでしょうか。

そうこうしているうちに暑さが過ぎて、出来合いを買ってくるのも嫌になりました。濃い目の味つけに倦んだってところもあります。いよいよお腹が空いたところでおかずは無く、さりとて拵える気力も湧きません。冷蔵庫にはご飯と去年仕込んだ味噌漬けって段になって、ようやく知りました。

仕込みの様子

本当に空腹の時って、まずは主食からいくものなんだなって。

青唐辛子の味噌漬けなんて、最高のメシトモですから、米にワンバウンドさせて食べたら二杯はいけます。それがまずはお米に一直線になるのです。

最初のひと口の美味しさと言ったら、こればかりは言葉ではなく、ご自身の舌でこそ味わって頂きたいものです。
高級な食材を買い揃える必要もなく、料理の腕も問われません。ただ、主食と空腹を用意すれば叶う美食があるのです。

ご飯を噛みしめていると、飲み込むのが惜しくなります。それでも胃袋は今か今かと待ち構えている訳ですから、逡巡しながらも喉を開き、食道を滑り胃袋に落ちていく喜びって、主食が一番じゃないでしょうか。
これは脱水症状ギリギリまで身体をいじめ抜き、キン冷えしたビールを口にした時に負けず劣らずの感覚です。食事を美味しく頂くために、空腹ってのは欠かせない要素であると、当たり前のことに気付いた私は飽食の世に生きているのだと思います。

何やら米不足を思わせるニュースが賑わっています。きっとまた騒動になって、きっとまた忘れることでしょう。

忘れるのは酒の席での粗相だけで十分です。
喉元を通お米の喜びを噛みしめ、食べ物への尊敬を持ち続けたいと思います。

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豆千|本と豆料理
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