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酒と肴の記録

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シリーズ「酒と肴」をまとめたものです。日々の暮らしの中で拵えたおつまみと合わせたお酒を紹介しています。信州食材と豆料理への愛が適度に詰まっています。
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#お酒

裏切りの肉体(鮭のちらし寿司)|酒と肴 その六十五

ケガ防止のために伸ばした筋を違えました。 ほっぺたに出来た吹き出物、2ヶ月経っても赤みが取れません。 まつ毛に白髪、これで目に見えるすべての毛に、白いものが混じるようになりました。 自分の体に裏切られ、何も信じられない今日この頃。 同世代&先輩方は如何お過ごしでしょうか。 こんな時ほど、健康系、美容系の怪しい広告が目に付きます。クリックするには至りませんが、加齢による衰えは認めるほかありません。人間ならぬ、肉体不信に悩んでいたとき、ふと気付いたのです。 信じられるの

夢と現実の割合|酒と肴 その十四

週末はいつもほろ酔い。 平日は飲まない(ように心掛ける)スタイルなので、金曜日の「晩酌始め」から日曜日の「晩酌納め」までゆるゆると飲み続けます。 金曜の夜は一週間のご褒美と称して、酒の友を買い込んでゆったりとクラフトビール。「自分へのご褒美」という概念を考えた方には感謝しかありません。 翌朝は散歩をしながら土日のつまみを考えるのが定番。公園の落ち葉を踏みしめるとよく似た「野菜チップスの吹き寄せ」のことを思い出して、ついつい朝ビールをキメたくなって危険です。 土曜の昼はニン

瓶ビールとよだれ鶏|酒と肴 その五

休日、あいにくの雨模様。今年「は」なのか、今年「も」なのか、とにかく雨が続いて気が滅入ります。とは言え、家で大人しく過ごすのも癪なので、今日も昼酒を飲むことに。 晴れていようが曇っていようが飲む訳ですが、どうせなら気分転換になる肴で飲みたいと、思いついたのはよだれ鶏。鶏の胸肉にしっとり火を通して、辛いタレで食べる四川料理です。 麻辣味(まーらーあじ)で汗をかきかきビールを飲んで、長雨で湿気った心身をリフレッシュさせようという魂胆です。 もともと、週末に鶏ハムを作ろうと鶏肉

馬刺しと暮らし|酒と肴 その四

縁があって3年程住んだ町を離れることが決まったその日、思ったことは「この土地で最後に食べたい物は何だろう」でした。 仕事の引継ぎよりも食べたい物のリストアップに忙しく、引っ越しの準備よりもどこで食べられるかを考えることに費やした一週間。海はないけれど自然と食材の豊かなこの土地の魅力をあらためて確認することが出来ました。 そして選んだ今回のテーマ(肴)は「馬刺し」。ここらのスーパーでは精肉コーナーで馬刺しのブロックが普通に売っています。街にはジビエ料理のお店もあって、市役所

ホタルイカで名残の春を|酒と肴 その三

今年の春は家で過ごすことが多かったので、花粉症は軽くて済んだけれど何とも物足りない気分が残ってしまった。 いつもの年なら晴れた空の下で木蓮なんかを眺めて春の訪れを楽しんだりするのだけれど、今年はそういった機会もないまま初夏を迎えてしまいそうな気配だ。 そんな気分でテレビを見ていると、ホタルイカが豊漁なのに外食需要が減ってしまったとのニュース。冷蔵設備もいっぱいで漁獲制限を行うとのこと。 ということで今回のテーマ(肴)は名残のホタルイカを選ぶ。春の食材を料理する事でくさくさ

チリビーンズで願う夏の日|酒と肴 その二

豆好きをこじらせて、スーツに架空の豆料理屋の名前を刺繍しました。 お店の名前は「豆千(まめせん)」、各国の豆料理が食べられる小さなお店で、オーナーの自分はいつもカウンターの端で飲んでいるという設定。 今のところスーツを忘れた時に「え、これ誰のスーツ?」「豆なんとかって何?」と混乱させるばかり、説明する程に困惑させるだけで実現の目処は立っていません。 あらためて文字にして見るとダメ臭がしてきますが、シンデレラも「信じていれば、夢は叶う」と言っていることですし、これからも入れ