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酒と肴の記録

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シリーズ「酒と肴」をまとめたものです。日々の暮らしの中で拵えたおつまみと合わせたお酒を紹介しています。信州食材と豆料理への愛が適度に詰まっています。
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#あんこ

もう、戻れない(あんこ祭り)|酒と肴 その六十

食材のストックが充実していると、幸せを感じるタイプです。 貯金についても同じ考えですが、こちらはうまく行きません。ストレスはヒサン(1日3割)でたまり、トラブルは複利で増えますけれど、口座の数字は一進一退。投資信託に関しては、華麗にムーンウォーク*をキメてくれます。 *ムーンウォーク 足を交互に滑らせ、前に歩いているように見せながら後ろに滑るストリートダンスの技法である(Wikipediaより) 私はいつでも待っているのに、来てもすぐ別のところへ出ていくお金。どうやら都

十三夜の遊び(あんこ)|酒と肴 その四十二

カップ酒によく合う肴がありまして、赤貝の缶詰に、回転寿司の持ち帰りについてるガリをちらし、七味を振ったものです。 季節の変わり目はどうにも億劫で、料理はもちろん、お店に行くのも、出来合いを買うのも気乗りしません。何だか頭と体がうまく繋がらず、ビールを飲もうと冷蔵庫からカップ酒を取り出す始末。たぶん、心の軟骨がすり減っているのでしょう。 そんな時、ままごとみたいに作れるツマミがあると、気持ちにちょっと余裕が生まれます。それが冒頭の一品。ドアポケット、納豆の辛子なんかと一緒く

満ち満ちて、粒あん(あんバタ)|酒と肴 その二十三

大人になると夜が増えます。眠れない夜、トイレが近い夜、ひたすら甘いものを食べたい夜、だいたいこの3つです。 前ふたつはお薬という選択肢がありますが、最後については実食しないと落ち着きません。そんな時は数少ない甘味レパートリーから、小豆を煮てあんこを拵えることにしています。 お菓子作り。その闇に手を染めた方はご存知の通り、ほとんどのスイーツは常軌を逸した量の白い粉を使います。今回は200gほど使いましたので、これが覚醒剤だったら末端価格で1千万円ぐらいでしょうか。 そう思うと

ひとの目を盗み、飲む|酒と肴 その十二

興味はあるけれど怖くて手が出せないもの。覚醒剤、人妻、お菓子作り。どれも響きが魅力的、でもハマると危険、抜け出せなくなります。 長いこと堅実に暮らしてきましたが、いよいよ世の中は真面目でないと気づきました。休日は朝から飲む奴が言うのも何ですが、兎角この世は生きにくいものです。それならいっそ、自分の欲求に正直に生きるのが吉ということで、お菓子作りに手を染めました。 なんでまたお菓子作りかと言いますと、沖縄の「泡盛コーヒー」をお土産にもらったからです。酒も甘味もいけるクチですの