東京国立博物館 特別展「法然上人と極楽浄土」
さわやかな5月、
東京国立博物館のユリノキは花をつけてました。
今回鑑賞したのは、浄土宗の法然上人の特別展。
2024年は浄土宗改宗850年にあたるそうです。
第2会場もありますから、ペース配分を考えてスタート!
往生要集
第1会場入ってすぐ「お~」🤩となります。
日本史の教科書にのってる有名な往生要集。本物にお目にかかれるとは。
二河白道図
人間の怒りの心を赤い炎で右側に、執着の心を水で右側に描きます。
真ん中にある一筋の白い道が進むべき清浄な道であると教えています。
極楽浄土に至る道は細いですね。😅
法然上人絵伝
法然上人の生涯を伝える伝記。ひらひらと天人が舞い✨菩薩が雲にのってやってきます。阿弥陀さまからは光の筋が伸びて周囲を照らします、この世のものとは思えない夢のような光景。
当麻曼荼羅縁起絵巻
とても興味深い絵巻でした。
国宝とは何かしらのパワーを感じますね。🎵
比丘尼となって現れた阿弥陀如来と観音菩薩が、蓮茎から糸をとりそれを五色に染め、一夜にして大曼荼羅を織り上げたという伝説が描かれます。
鎌倉国宝館に保管委託してあるそうです、もう一度見たい!
當麻曼陀羅図
細部まで見ていると時間がいくらあっても足りないです。
どうやら、浄土とはにぎやかキレイな感じの場所ですね。
立体涅槃群像
涅槃図ではお馴染みの世界が立体となって再現されていました。
香川・法然寺の涅槃像・羅漢像・八部衆・動物など。
撮影OK!動物たちが可愛いかった。✨
涅槃図が伝わるお寺は多いですが、それが立体的に表現されている法然寺を今回初めて知りました。是非訪れてみたいですね。
阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)
鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院蔵
ポスターにもなっているこちらの来迎図。
前期のみの展示でしたので見逃しました。
残念!見たかった。😅
雲に乗ってハイスピードでお迎えに来る仏の一団、迫力ありますね。
他にも、
法然上人座像、阿弥陀如来立像、五百羅漢図、祐天上人座像、大蔵経など
名宝が終結、見ごたえたっぷりでした。
法然上人はエスパーだった?
私はずっと前に、法然上人のこんな話を聞いたことがあります。
夕方、あたりが暗くなってからでも目から光線が出て書物の文字を読むことが出来たと。きっと人一倍勉強熱心だったのでしょう。
また、日本では1052年が末法入りと考えられ、真の仏法が衰えて世の中が混乱するという考えがありました。平安時代、内乱や繰り返される災害・疫病によって人々は疲弊。
お念仏を称えること。それは誰にでも出来ること。
混乱する社会状況の中で人々はこの法然の教えに救われ、お念仏の信仰に救いを求めていったことでしょう。
シンプルに、ともかく声に出して「南無阿弥陀仏」と唱えるだけでどんな人でも極楽に行くことができる。難解な経典を熱心に学んだ法然だからこそ、小難しいことをそぎ落とし、広く庶民に仏教を広めていくことが大切だと考えたのでしょうね。
多くの人々を救済する道へ
法然上人は、父の遺言通りの人生を歩まれました。
父は武士の夜討ちに遭い命を落としたのです。でも仇討ちをすれば幾度となくそれは繰り返されてしまいます。
幼いわが子に、自分の仇討ちをすることなく仏道の修行に励むように
「出家して、私の菩提を弔い、自ら仏法を求めてくれ」
そう伝えて亡くなったそうなんです。
その言葉通り、困難な時代に分け隔てなく万人の救済を目指し浄土宗の開宗となりました。法然上人こそが、まるで西方浄土で人々を救済する阿弥陀さまのようですね。✨
フッと柔らかな金色の光に照らされているような気分にもなりました。
今でも教えは受け継がれている
私は実家が浄土宗で「南無阿弥陀仏」のお念仏はとても身近です。
お彼岸になるとご先祖様のお墓参りをしておりまします。
法然上人の教えは春秋のお彼岸や行事など、私たちの暮らしに溶け込み今日まで受け継がれている、法然上人と光輝く阿弥陀さま✨とが重なる、
そんな印象を持った特別展でした。
お読みいただいてありがとうございます。😀