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ナウシカのような人
空気を通すこと。
水の流れをつくること。
それは、人の体内ばかりではなく大地も同じだと思いました。
空気を通すことは呼吸。水の流れは血液など体液の流れ。
私たちの足元にある大地は、今呼吸不全を起こしている上に、
水が上手く流れていないのです。
水と空気の流れが必要なのは、人の体だけではなく大地や樹木たちも同じ。
ドキュメンタリー映画『杜人(もりびと)〜環境再生医 矢野智徳の挑戦』を観ました。大地に空気と水の循環を取り戻す造園家の矢野智徳(やの・とものり)さんの、3年半にわたる活動がまとめられています。
現代の土木工事の多くは土中の水脈を分断し、空気の通り道を塞いできました。矢野さんたちは、大地が呼吸を取り戻すための環境再生作業を行っています。まさにナウシカではありませんか。
空気の通り道、水の通り道を開く
風を読み、大地の呼吸を感じる。 循環と再生を促す。
自然な風の流れをつくる作業、空気や水の通り道を開く。それだけで弱っていた樹木は息を吹き返すのです。
映画の中で紹介されていた、玄侑宗久さんが住職を務める福島県三春町にある臨済宗福聚寺(ふくじゅうじ)。
環境再生活動によって枝垂れ桜が美しい花を咲かせたのが印象的でした。
今あるものも活用
環境再生と言っても、コンクリートを否定するのではなく
「点穴を開けるだけで、コンクリートを剥がす必要はない」
つまり流れをつくれば良いので、今ある技術も活用する。
小さなスコップによって流れ出す水の音、
風の草刈りによって通り始める爽やかな風。
ある時は大型の建築機械に乗って空気の通り穴を開ける矢野さん。
「風のように草を刈り、イノシシのように大地を掘る」のがコツだそう。
太陽光・風力発電だのお題目だけのエセ環境保護をする人がニュースをにぎわしていますが、まったく対照的です。
息をしている限り、まだ間に合う
災害の多い日本では、自然とどうつきあうかが最大のテーマ。
コンクリートに慣れてしまった私たちの生活。循環が滞っている場所はきっとたくさんあると思う。
矢野さんのような活動をしていく方がもっともっと増えるといいなと思いました。人間活動によって自然は息苦しい思いをしている。だから大地の呼吸を取り戻す。
「息をしている限り、まだ間に合う」という言葉が胸に響きました。
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自主上映会の日程はこちら、お近くの方は是非ご覧になってみて下さいね。
こんな方におすすめです。
・住んでいる環境を豊かに心地よくしたい方
・環境問題に関心のある方
・植物を活き活きと育てたい方
・農業、造園、林業、漁業、自然と関わっている方々
・人と自然のあり方を模索されている方
4分ほどの予告編の動画です。
矢野さんの環境再生活動 「大地の再生 結の杜づくり」。
お読みいただいてありがとうございます。😀
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