レトロタイルを求めて、シンガポールのショップハウスのツアーに参加
こんにちは。シンガポールのわん吉です。
わん吉の心をつかんでやまないものに、昔のきれいなタイルがあります。ベトナムにも台湾にもあったレトロタイル。ここシンガポールでもそんなタイルを見ることができます。
ショップハウスに見るレトロタイル
タイルは昔のインテリア素材。外壁や家の内側を華やかに飾っていました。シンガポールに残っているレトロタイルは、英国や日本で作られたものが多いです。
そんなレトロタイルを今も見ることができるのがショップハウス。ショップハウスとは何ぞや?という方は、以前に書いた記事を見てみてくださいね。
シンガポールヘリテージフェスに参加して、昔のショップハウスでタイルを見る
さて、ただいまシンガポールで絶賛開催されている Singapore Heritage Fest 2024 (シンガポールの伝統文化遺産フェス。おすすめです!)。昔のショップハウスでワークショップがあるというので参加してみました。
レトロタイルが外壁を彩る古いショップハウスが並ぶ一角にある、ニール・ロード141番地。シンガポール国立大学の研究施設「ArClab」にもなっている一軒が会場でした。
ニール・ロード 141番地のショップハウスの物語
1800年代にはナツメグのプランテーションが広がっていたニール・ロード周辺。その後、住宅地に開発されると、富を蓄えた商人や事業家たちが住むようになりました。
当時の資料には、1913年にLim Yew Teok氏がニール・ロード141番地(当時は56-5番地)の家を購入したという記録が残されています。Lim氏はいくつもの銀行の株主で、現在のOCBC銀行(シンガポールの三大銀行のひとつ)のもとになった銀行の株主でもありました。大金持ちですね。
Lim氏が亡くなった後も、この家には2006年に末裔が亡くなるまで、Lim氏の家族が何世代にもわたって住み続けていました。
そして2020年、この家を購入したPortabella家は、伝統的なショップハウスの保存研究のために、そのままシンガポール国立大学に寄付しました。200万シンガポールドルの寄付金を添えて。
2022年、この家はArchitectural Conservation Laboratory(ArClab)として、シンガポール国立大学建築学部に付属する研究施設となりました。今は学生たちが、文化遺産である伝統家屋の研究や、修復保全技術のトレーニングに励んでいます。
研究生たちによるショップハウスの案内
文化財となっている約150年前のショップハウスを生きた研究素材として、建物や装飾の保存や修復の研究に励んでいるシンガポール国立大学の学生たち。
模型や写真、地図など資料をたくさん用意して、ショップハウスの構造や自分たちが取り組んでいる研究内容を説明してくれました。
そこかしこにレトロタイルが。わん吉うれしくてタイルばかりを撮り、肝心のショップハウス全貌を撮り忘れました。
ArClabのショップハウス案内ツアーが開催中
じつはわん吉、この日は「ArClabでタイルをクリーニングする」というワークショップに申し込んでいました。
途中で別のコースに参加していたことに気づき、まっいいか、とそのまま参加して楽しみました(申し込んでいたワークショップの方が高値だったのでホッ)。
今月は毎週末、Arclabのショップハウスツアーが開催されています。ArClabの中を一般公開するのは今回が初めての試みということ。興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。