2023年8月26日「ムラフェス!〜ムラキ!カンレキ!同窓会ライブ」@西川口ハーツ
ムラフェス!
埼玉県にあるエフエム放送局「NACK5(ナックファイブ)」。
NACK5でかつて放送していたラジオ番組「MIDNIGHT ROCK CITY」の出演者が集い、当時のプロデューサーだった村木益実さんの還暦をお祝いするライブ「ムラフェス!~ムラキ!カンレキ!同窓会ライブ」が行われました。
こちらに坂本サトルさんがご出演されるということで、埼玉県川口市にあるライブハウス・西川口ハーツまで見に行きました。
「ムラキ!カンレキ!プロジェクト」ライブは、全部で5回開催されたそうで、今回は3回目とのこと。(ピックアップしましたが、4回分しか見つけられませんでした)
村木益実さんについて
村木さんは、サトルさんと同じ青森県出身。NACK5が開局した年に入社されており、局の立ち上げからずっと関わっていらっしゃった方のようです。
サトルさん曰く「青森県出身で、業界のど真ん中にいた人」。
’19年にNACK5を退職されたのち、大学の教授を務め、’22年には「人生で達成したい100のことを書くノート」を監修・出版されました。
「MIDNIGHT ROCK CITY」について
’90年10月から’01年9月まで、NACK5の深夜の時間帯(1部AM1:00~3:00、2部AM3:00~5:00※2部の放送期間は’94年3月まで)に放送されていたラジオ番組です。略称「MRC」。
当時のラジオの深夜番組といえば、ニッポン放送「オールナイトニッポン」が隆盛を極めていた時期だと思います。その真裏で放送されていました。(ちなみにTBS放送「JUNK!」が始まったのが2002年から)。
Wikipediaに歴代の出演者が掲載されていますが、
吉井和哉、加藤ひさし(ザ・コレクターズ)、thee michelle gun elephant、
フラワーカンパニーズ 、ザ・グルーヴァーズ、GRAPEVINE、プレイグス、オセロケッツ 、the pillows、スピッツ…
と名だたるバンド、ミュージシャンたちがパーソナリティを務めていたことがわかります。
埼玉の放送局ですが、銀座にスタジオがあり、そこから生放送されていたとのこと。
JIGGER’S SONは、’92年10月〜’93年3月まで木曜2部を、
そして坂本サトルさんは、’01年4月〜9月まで木曜1部を担当しました。
サトルさんがメインパーソナリティを務めた’01年4月~9月のMRC放送回について、ラジオのトークを文字起こしをしたすごいサイトが残っています。
ライブレポート
※文中の曲名は、出演者がステージで紹介したものを記載しています。曲名の表記等について誤りがあるかもしれません。ご了承ください。
オープニング
司会の山本昇さんが登場。
昇さんは、The Turtles(ザ・タートルズ)というバンドのドラマーで、現在は司会業やパーソナリティをメインにされているとのこと。
昇さんに呼ばれて、ステージに登場した村木さん。
赤いTシャツに、パーティーグッズの「本日の主役」タスキをかけ、以前のイベントでお客さんからいただいたという「ファンサうちわ」を持って登場。
観客はざわつきととまどいを隠せません(笑)。
今回のライブは、村木さんがいま見たい方々に声をかけたそう。
坂本サトルさんは青森から、森山公一さんは大阪から、ジァイアントステップの西木ジョンさんは福岡からと、村木さんのために日本全国からミュージシャンが集まったライブとなりました。
①marco
1組目は、'03年にバンドGeniusでデビューしたmarcoさん。
marcoさんは'03年、NACK5で水曜月イチで「チャプターワン」(すみません、名称不確かです)という番組を担当しており、「MRC」のパーソナリティではなかったそう。また、村木さんはmarcoさんについて、「一緒に火事を消したことがある」と紹介していたものの、それは人違いだった(marcoさんではなかった)そうで、本人曰く今日の出演者の中で「自分だけはみ出している(笑)」。楽屋でも最年少のため、大御所の先輩方に囲まれておとなしくしていると仰ってました。
この日は、キーボーディストうめだちかこさんをサポートに迎え、ギター×キーボードで曲を披露。
ラジオを担当していた頃、村木さんたちがいつも血圧や体調の話をしていて、当時はピンとこなかったものの、45才の現在その心境が痛いほどわかると、中年の朝の辛さを歌った「地獄の朝」や、山本昇さんがドラムで参加しセッションした「なつまつり」、このほか「スロージャブ」「ノーバディノーズ」など全6曲を演奏しました。
②ジァイアントステップ(野田タロウ&西木ジョン)
'00年にメジャーデビューした3ピースバンド。
現在はVo&Baseの野田太郎さんによるソロ・プロジェクト。
この日はギターのナグモさんの参加が叶わず、ドラムの西木ジョンさんと2人で、また野田さんはベースではなくギターを演奏するという特別編成。
トリオ時代のジァイステの曲のみでセットリストを構成したステージでした。
西木さんは現在、福岡在住でホテルの料理人をされており、野田さんと一緒に演奏するのは約12年ぶりとのこと。
野田さんは西木さんとの久々の演奏について、「バンドの空気が一瞬で蘇ってぞわっとした」と仰っていました。
「みんないろいろな人生を歩んでいるけど、こうして音楽で集まって、還暦をお祝いするのっていいなと思った」という野田さんのお話しが印象的でした。「フォーエバーミュージック」「スターライド」など6曲を披露。
ジァイアントステップは、’00年10月から’01年9月までMRCの金曜1部を担当。野田さんにとって村木さんは「大変お世話になった音楽業界の重鎮」で、アルフィーのライブに連れて行ってもらったのが思い出深いそう。
西木さんは、村木さんがジョン・レノンミュージアムに行った際におみやげにジョンとヨーコの額装写真をもらって感激した、とお話しされていました。
③坂本サトル
出番後の出演者が司会の昇さんとMCをして
る間に、次の出演者がセッティングをするという進行で、演奏終わりのジァイステと昇さんがトークをしている間に、サトルさんがセッティングで登場。そして森山さんもギターを持って登場し、ステージ上は5人のトークとなりにぎやかに。
サトルさんのこの日の衣装は、Paul Smithのリバティフローラルプリントシャツ(6/5渋谷La.mamaのときと同様)にデニム、ブラウンのハット(腕まくりなし)。
ライブハウスの黒いステージにおしゃれなシャツ姿が映えて、素敵でした。
サトルさんの弾き語りステージがスタート。
1曲目はJIGGER’S SONの楽曲「バンジー」。
7月のジガーズサンライブ2023でも演奏された曲ですが、ソロ弾き語りでの披露は珍しく、切ないムードを湛えたギターの音色と歌声に、目と耳が釘付けに。
渋くて大人の色気も漂う歌声と佇まいに魅了されました。
続く「始まりの歌」も、普段のステージではなかなか聞くことのない選曲で、ファンにとってはうれしいサプライズ。三連符でかき鳴らすギターのかっこよさ。疾走感ある演奏と熱いボーカルに引き込まれます。
MCでは、オープニングの村木さんの登場について、「みんなが知らないおじさんがタスキかけてうちわを持って出てきて、『これはヤバい』と思った(笑)」と観客の思いを代弁してくれたり、司会の昇さんに会うのが久々すぎて以前なんと呼んでいたか忘れてしまい、試しに「のぼる!」と呼び捨てで呼んだら違った(のぼる君が正解だった)、NACK5の銀座のスタジオの雰囲気が好きで毎週通うのが楽しかった、といったお話しをされました。
続いて「コーンスープ」「君に会いたい」。
歌声もギターの音色も響きがふくよかで力強く、他の出演者とは別格の、大御所の風格を感じました。
デビュー当時は、周りの人にもっと力を抜いて歌えばいいと言われていたがよくわからなかった、いまが一番楽に歌えるようになったと、現在の自身の歌声について述べられていました。
せっかく森山公一さんが一緒なのでと、森山さんをステージに呼んで久々のユニット「坂森(さかもり)」登場!
森山さんはすでにビールを何杯も飲んでおり、サトルさんもステージからビールをオーダーし、ユニット名どおりのスタイルを貫くおふたり。
この日は、サトルさんは’67年製のギルド、森山さんは’73年製のギルドと、自分の生まれ年のギターを持って演奏。80年代以降に製作されたギターは品質があまりよろしくないそうで、「生まれ年のギターを持つのは70年代生まれまでの特権だね」と仰っていました。
ユニットで披露したのは、浅森坂の「狭霧の私」「月が誘った」の2曲。
本来は3人で歌う曲のため、浅田信一さんのパートをどちらが歌うか直前に確認しながらの演奏となりましたが、そんな心配もどこ吹く風。サトルさんと森山さんのハーモニーがすばらしい。最高!
森山さんはギターのほか、ホルダーを装着しハープも演奏しました。
最後は、サトルさんおひとりで「天使達の歌」。
いつ何度聞いても、サトルさんの心のこもった歌声と丁寧な演奏に胸が熱くなる曲です。
普段のライブではやらない曲や浅森坂の楽曲など、特別なセットリストを楽しめて、とてもいい時間となりました。
■8/26ムラフェス!について、サトルさんのブログ「日々の営み」
サトルさんと森山さんは、出番の直前までサトルさんのラジオ番組「ひとりの時間。」(tbc東北放送)の収録を行なっていたとのこと。
番組は2023/09/04にOA。
④森山公一
’97年にオセロケッツでデビューした森山公一さん。
オセロケッツは活動休止期間を挟みつつ、昨年は25周年ライブを行うなど、周年で定期的にバンド活動を行っているそう。
「ムラFes!」のロゴが入った真っ赤なTシャツで登場した森山さん。出演者全員に配ったものの、森山さんのみが着用されたとのこと。
ギター弾き語りで、オセロケッツの楽曲「恋愛」「モノクローム」「escape」、'21年12月に48才の記念として制作した48曲入りデモアルバムから「バッタモン」「楕円」など6曲を演奏。最後の曲では、山本昇さんがドラムで参加しセッションされていました。
MCでは、観客と会話するかのように客席からのかけ声に答えていて、笑いが絶えず、楽しかったです。
オセロケッツがMRCを担当されたのは、’00年4月~’01年9月の火曜1部。
忘れられないこととして、’01年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件が起こった際、森山さんが報道原稿を読み上げたのだそう。読みながら震えたそうです。
トークセッション
エンディングでは、ステージ上にイスとテーブル、スタンドにぶら下げられた赤ちょうちん、のぼり旗がセッティング。
ハーツの餃子などお料理もでてきて、出演者もお酒を飲みながらのトークセッション「居酒屋ムラキ」がスタート!
ほとんどサトルさんのことしか覚えていませんが(笑)、こんなこと喋ってました、という内容を以下記載します。
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出演者の皆さんそれぞれ、ラジオ出演当時の思い出とともに楽曲を選曲していたり、この日のためにバンドを再結成したり、出演者同士でセッションしたりと、「同窓会」というタイトル通りの、ただのフェスではないスペシャルな夜となりました。
物販写真
おまけ
8/26は西川口駅近くのビジネスホテルに宿泊したのですが、
翌朝のチェックアウト時に、エレベーターでジァイステのドラマー西木ジョンさんと鉢合わせ!迷ったものの、せっかくなので「昨日見ました」と西木さんに声をかけました。びっくりされていましたが、とても優しいお人柄で、少しお話ししてくださいました。
ホテルを出たら、西木さんを迎えにきたと思われる野田タロウさんにも遭遇!野田さんにも「昨日見ました」とお伝えしました。
野田さんに「昨日サトルさんめちゃくちゃ良かったですよね!」と仰っていただきました。
おわり
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