GEZAN、People In The Box、揺らぎ
ここ何年か、音楽のサブスクにお世話になっている。
そして、カセットテープやCD、iPodを利用していたころに比べ、アルバムを通して聴くことが減った気がする。
理由はいくつか思いつく。
歳を取り、しっかりと腰を据えて聴くための体力がなくなってきたこと。
サブスクの膨大な音楽の量と気軽なスキップ機能で次々に好みの曲に移動するため、など。
そんななか、2023年前半、個人的に再生頻度の高かった国内のアーティストのアルバム3作品をご紹介。
GEZAN with Million Wish Collective - あのち
2023/02/01 release
2009年大阪発のオルタナティブロックバンド GEZAN の 6th アルバム。
圧倒的な音の質量、厚みが渦となって全身の感覚を否応なく刺激し、眠っている毛穴を開かせる。
口伝される民話のような今作を聴き終えた際には、これまではさておき、これからの人生を肯定してみようという気分になる。
People In The Box - Camera Obscura
2023/05/09 release
2005年に結成された3ピース・バンド People In The Box の 8th アルバム。
秩序をかき分けるかのように波のごとく変則するリズム。
歌詞に込められた意味を自分なりに考察しながら、緻密に構築された9曲の音世界の迷宮を彷徨う。
揺らぎ - Here I Stand
2023/04/05 release
2015年に結成されたバンド 揺らぎ の 2nd アルバム。
そもそも、わたしたちは絶えず揺らいで生きていて揺らぎが終われば肉体は消滅する、とバンド名から想像する。
聴く者によってさまざまなジャンルに聴こえる音。
ジャケットアートワークのように、好みの解釈で色づけしていいみたいな。
雲間から漏れてくる明るい兆しや希望のような音も垣間見える。