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ドリーム・ポップとかシューゲイズとか
10代のころなら刺激が足りなくて聴かなかっただろうな、でも、近ごろではちょうどよい揺らぎや心地よさを感じる音楽がこの辺り。
食生活やファッションの好みが変わるように音楽の好みも変わってゆく、これからもたぶん。
2022年、そんなドリーム・ポップやシューゲイズ、インディー・ポップ界隈のバンドたちが新作をリリースしてくれていることはありがたく、そのなかでよく聴いている3作品を紹介してみたい。
Letting Up Despite Great Faults - IV
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2006年結成の彼らの8年ぶりとなるアルバム。
全10曲29分とコンパクトにまとめられているので、一曲単位で聴くことが多いなか、作品を通して飽きることなく聴くことができる。
『Corners Pressed』はアルバムの2曲目。
ミュージックビデオを撮影している部屋のように、明るく気持ちのよい太陽光を感じるサウンド。
白っぽい露出多めの写真をみているかのようにキラキラしている。
Far Caspian - Ways To Get Out(Deluxe)
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アイルランド出身、シンガーソングライター兼プロデューサーJoel Johnstonのソロ・プロジェクトアルバム。
こちらは2021年リリースの作品のデラックス版で、全23曲90分というボリューム。
『Come Down & Waste With Me』は、アルバムの7曲目。
アナログで懐かしく、よい意味でチープさのあるサウンドは、ミュージックビデオの映像の中でやわらかく輝く逆光がよく似合う。
すこし淡泊なところはスウェーデンのバンドThe radio dept.を連想させる。
Young Prisms - Drifter
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2009年に結成された彼らの約10年ぶりとなるアルバム。
全12曲40分の揺らぎ体験。
『Yourside』はアルバムの2曲目。
早朝、海岸線を車でドライブしながら牧草地帯の朝霧が朝の光に消えてゆくさまを見ているような、オブラートに包まれたモヤモヤ感がよい。または多幸感というか。